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2トントラックをベースにしたキャンピングカー総合ガイド

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2トントラックをベースにしたキャンピングカーを探しているあなたは、広い居住空間と高い積載性を持つ本格的なキャブコンに興味をお持ちでしょう。しかし、主流であるトヨタ・カムロード(1.5t積み)と、高性能な2.0tベースのいすゞ・Be-cam/エルフにはどんな違いがあるのか、そして実際に購入して使うためにはどんな点に気をつけなければいけないのかといった疑問をお持ちかもしれません。

この記事では、「2トントラックをベースにしたキャンピングカー」の定義から、主要ベース車両の性能差、安全性、維持費、さらには自作(DIY)や中古市場の実態まで、購入前に知っておくべき重要な情報を網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたの理想のキャンピングカー選びが明確になるでしょう。

ポイント

  1. 主流の2トントラック系キャンピングカーの特徴と市場での位置づけを把握できる
  2. トヨタ・カムロードといすゞ・Be-cam/エルフの違いを比較できる
  3. 2トントラック系キャンピングカーの新車や中古市場の価格傾向を理解できる
  4. 所有・運用に必要な管理ポイントや注意点を把握できる

2トントラック系キャンピングカーの主要モデルと実態

  • 2トントラックベースキャンピングカーが指す市場と代表車種
  • カムロードとBe-camの架装後重量と実走行における違い
  • トヨタ・カムロード:専用シャシーによる優位性と市場での圧倒的主流性
  • いすゞ・Be-cam/エルフ:真の2t積載クラスの優位性
  • 新たな選択肢・いすゞ Travio(トラヴィオ)の登場
  • いすゞ Be-camとTravioの比較
  • メンテナンス性と整備ネットワーク:トヨタ vs いすゞ
  • 中古市場の実態と価格差:カムロード中心の流通量とBe-camの希少性
  • その他のベース車(アトラス・タイタン・キャンター)が主流にならなかった理由

2トントラックベースキャンピングカーが指す市場と代表車種

2トンクラスが意味するものとキャブコンの定義

一般的にユーザーが「キャンピングカー 2トン」や「キャンピングカー 2tトラック」といったキーワードで検索する際、それは厳密な商用車の「積載量2.0t区分」を指しているわけではありません。ユーザーがイメージするのは、本格的な小型トラックをベースとし、広大な居住空間(架装)に耐えうるキャンピングカーの総称です。これは、主に「キャブコン」と呼ばれる車両タイプを指します。

キャブコンとは、エンジンが運転席の下に位置するキャブオーバー型のトラックをベースに、荷台部分に「シェル」と呼ばれる箱型の居住空間(キャンピングシェル)を架装した車両です。その見た目は「いかにもキャンピングカーらしい王道のルックス」として、市場で最も有名かつ一般的なモデルとなっています。

トラックベースのキャブコンイメージ

キャブコンの構造的特徴と魅力

キャブコンは、その構造的特徴から、快適で非日常的なキャンピングカーライフを提供します。

広大な室内とバンクベッド

キャブコンの最大の魅力は、その広大な居住空間にあります。特に、運転席(キャビン)上部に張り出したスペースである「バンクベッド」を備えているのが特徴です。このバンクベッドは、就寝スペースや荷物置き場として活用でき、限られた車体サイズに対して積載性と快適性を大きく向上させています。室内は立って歩けるほど広々としており、非日常感を味わうことができます。

優れた居住性と設備

キャビンの後部に積まれるキャンピングシェルは居住専用に設計されており、高い断熱性や遮音性に優れています。この居住性能の高さもキャブコンの大きなメリットの一つです。シャワールームやトイレ、冷暖房といった設備を組み込むことで、長期の車中泊でも自宅に近い快適さを維持することが可能です。

主要なベース車両とその特徴

キャンピングカー市場においては、商用車としての積載規格(1.5t積みか2.0t積みか)よりも、「どのシャシーがキャンピングカーの標準か」が重要な軸となります。この軸で見た場合、トヨタ・カムロード(1.5t積み)がキャブコン市場を20年以上牽引してきた圧倒的な主流ベース車となっています。

ベース車両の種類と市場の立ち位置
ベース車両 積載量規格(商用車として) 主な特徴と市場の立ち位置
トヨタ・カムロード 1.5t積み(小型トラック区分) キャンピングカー専用モデルとして独自開発され、キャブコン市場で圧倒的なシェアを誇る主流ベース車。商用規格は1.5tだが、ダイナ2t系フレームを採用し、キャブコン専用設計。車両総重量は約3.5tで、実質2tトラック級シャシとして扱われる。
いすゞ・Be-cam(ビーカム)/新型エルフ 2.0t積み(2tトラック区分) カムロードよりもキャビン幅が広く、高い走行安定性や最新の安全装備を持つ。市場ではカムロードに次ぐ「第二勢力」として位置づけられている。
いすゞ・Travio(トラヴィオ) 商用車ではないため積載量規格なし いすゞが開発したキャンピングカー専用シャシで、Be-cam に次ぐ新しい選択肢。1.9Lディーゼルと6速ATを採用し、普通免許(AT限定)で扱えるコンパクトな専用ベースとして位置づけられている。
その他 2.0t積み(2tトラック区分) 日産アトラス、マツダ・タイタン、三菱ふそう・キャンターなど。Be-camと同クラスの商用トラックをベースに、ビルダー独自架装で展開される少数派モデル

ベース車両(シャシー)

主要ベース車両の「強さ」の比較

項目 カムロード Be-cam Travio
エンジン排気量 2.8L ディーゼルターボ
2.0L ガソリン
3.0L ディーゼル 1.9L ディーゼル
最高出力 約144PS(ディーゼル) 約150PS 約120PS
最大トルク 約300N·m(ディーゼル) 約375N·m 約320N·m
変速機 6速AT 9速AMT 6速AT
MT設定 あり(限定的) なし なし
駆動方式 2WD / フルタイム4WD 2WD / 4WD 2WDのみ
想定車両総重量 約3.5t前後 最大5,150kg 3.5t未満
重積載時の余力 必要十分(ディーゼル) 非常に高い 限定的
登坂・高速合流 実用上問題なし
(ディーゼル)
明確に余裕あり 軽快だが余裕は少なめ
耐久性・シャシ強度 2t系フレーム相当 本格2tトラック級 専用設計だが軽量重視
強さの総合評価 バランス型 余力・耐久重視型 軽量・免許重視型
※ カムロードの重積載時の余力や登坂能力はガソリン車では低下します。
※ カムロードは、採用ビルダーや年式、ガソリン/ディーゼル、駆動方式などにより仕様・性能が異なります。本表では、VANTECHおよびナッツRV等の公式情報を基に、代表的な仕様を記載しています。

カムロードとBe-camの架装後重量と実走行における違い

構造と積載規格に基づく重量の差

キャンピングカーのベース車両として主流であるトヨタ・カムロードは、商用車としての積載規格が1.5t積み(小型トラック区分)ですが、いすゞのBe-cam/エルフは2.0t積み(2tトラック区分)をベースとしています。

キャンピングカーは、居住空間(シェル)やエアコン、リチウムイオンバッテリーなどの装備(架装部分)によって車両重量が増加し、常に重い状態になりがちです。Be-camは元々2tトラック用のシャシーをベースとしており、完全な重量耐久力を持っているため、架装後の重量増加に対してより余裕が生まれます。

重量増への対応力の違い
  • Be-camの優位性: 大型のリチウムイオンバッテリー(10kW)やソーラーパネルといった重量のある装備を増やした場合でも、Be-camは元々2tのためのシャシーを製作しているため、こうした装備の増加に耐えうる設計となっています。
  • キャブコンの重量傾向: 架装により車両総重量は増加し、特にキャブコンは「満載時4トン近くになる」ことがあり、ベース車両の積載量の限界に近い状態になることが多いです。カムロードベースの一般的なキャブコンは車両総重量5t未満に収まる傾向がありますが、Be-camのような2tトラックをベースにしたモデルは、車両総重量3.5tを超えてしまう可能性があります。

実走行における性能と安全性

Be-camはカムロードと比べて走行安定性や安全性が別格であるとされています。これは、ベース車両の構造の違いや、最新の安全装備が充実していることによります。

小見出し: 走行安定性と乗り心地
  • 車幅と足回り: Be-camはカムロードよりもキャビン幅が広くなっています。また、Be-camベースのキャンピングカーは、ダブルタイヤを採用することで、タイヤバーストに対する安心感を高め、完全な制動力を備えています。
  • 専用設計: 最新のカムロードも横風に吹かれても安心して走れるよう、現行型のディーゼルはすべてダブルタイヤに変更されていますが、Be-camはキャンピングカー専用に設計されたリヤスプリング、リヤショック、スタビライザー(4WD車除く)を備え、最高の高速安定性を誇ります。
  • 乗り心地: Be-camの乗り心地は、従来のトラックよりも常用車に近い感覚で、縦揺れや横揺れも少なく、乗用車以上に乗り心地が良いと感じられるほどに開発されている点も特徴です。
Be-camに搭載されている主要な最新安全装備

Be-camは、最新の安全装備が充実している点でカムロードに優位性を持っています。

装備名 Be-camに搭載されている主要な最新安全装備
自動運転相当機能 全車速車間クルーズ&レーンキープアシスト(レベル2相当)
タイヤ保護 タイヤ空気圧モニタリングシステム(バースト予防)
緊急時の対応 ドライバー異常時対応システム&ステータスモニター
衝突被害軽減 プリクラッシュブレーキ(右左折時にも対応)
速度制御 標識認識機能&標識連動型スピードリミッター

特に全車速車間クルーズ&レーンキープアシストは、運転時にハンドルを軽く握っているだけで前の車に自動追従する機能であり、長距離運転を非常に楽に、楽しく感じさせる要素として評価されています。オートクルーズ機能は、高速道路の入口から高速巡航までをスムーズに行うことができ、運転の負担を大きく軽減します。

整備性とランニングコストに関する違い

Be-camは、キャンピングカー専用シャシーとして設計変更が施されており、メンテナンスのしやすさも考慮されています。

小見出し: メンテナンスのしやすさ
  • 点検修理: 運転席キャビンチルトが廃止され、シート座面を開くことで点検修理が可能になっているため、全国のいすゞサービスセンターで点検修理を受けることができます。
  • 強化改造の不要: 最初から最適な足回りセッティングが施されているため、強化改造(カスタム)をする必要がない点もメリットです。
電力供給能力とコスト
  • 大容量オルタネーター: Be-camは、通常のエルフよりも大幅に発電量の多いオルタネーター(24V 90A = 2160W)を搭載しており、電気を多く使用するキャンピングカーのニーズに対応しています。これは、ソーラーパネルや大容量バッテリーを積む際の電源確保に役立ちます。
  • 本文中の注意: 走行性能や装備の優位性を持つBe-camベースのキャンピングカーは、一般的にカムロードベースのモデルと比較して価格が高くなるというデメリットがあります。

トヨタ・カムロード:専用シャシーによる優位性と市場での圧倒的主流性

キャブコン市場の標準を担うカムロード

トヨタが製造するカムロードは、キャンピングカー市場において、キャブコン(キャブオーバートラックベースのキャンピングカー)のベース車両として圧倒的なシェアを誇る主流の存在です。これは、カムロードが20年以上にわたりキャブコン市場を牽引してきた実績があるためです。

一般に「2トントラックベース」という言葉がユーザー間で使われる際、その実態として中心にあるのは、厳密な商用車の2.0t積載区分ではなく、このカムロード(1.5t積み)を標準仕様とした本格的なキャブコン全般を指しているという市場実態があります。カムロードの代表性は非常に高く、ビルダーによる採用数、中古市場の流通台数、ユーザー認知度すべてにおいてトップの位置を占めています。

カムロードの名称の由来

カムロードという名称自体が、「Camper(キャンピングカー)」と「Roadability(走行性能)」を組み合わせて名付けられた造語であり、この車両が最初からキャンピングカーとして使用されることを前提に独自開発されたベース専用車両であることを示しています。

キャンピングカー専用設計による構造的優位性

カムロードは、トヨタのダイナを源流としつつ、キャンピングカーの架装に最適化するために特別な設計変更が施された特別仕様車です。これにより、一般的なトラックにはない様々な優位性を備えています。

走行安定性を高める専用設計
  • ワイドトレッド: キャブコンは架装(シェル)部分が重く重心が高くなりがちですが、カムロードは走行安定性を向上させるため、左右の車輪間の距離(トレッド)が約250mmワイドになるよう設計されています。
  • ダブルタイヤ: さらに、横風に吹かれた際の安定性や積載重量への対応力を高めるため、現行型のディーゼルモデルはすべてダブルタイヤに変更されており、安心して走行できる構造になっています。
架装に耐えうる基本性能

カムロードは排気量の割にハイパワーな特性を持ち、広大な居住空間(キャンピングシェル)を架装し、長期滞在に必要な設備を搭載した状態でも、ストレスの少ない走行環境を実現します。

カムロードをベースとする主要モデル

キャンピングカーのビルダー(製造・販売メーカー)の多くがカムロードを主要ベース車として採用しており、多彩なモデルが生み出されています。

カムロードベースの代表的なモデル
ビルダー 代表的なモデル 特徴とおおよその新車価格帯
バンテック ZiL(ジル)シリーズ キャブコン市場で特に有名なシリーズ。
約900万~1,300万円
ナッツRV クレア&スティング 人気の高いキャブコンシリーズ。
約900万~1,300万円
アネックス リバティ52シリーズ 長期滞在に適した居住空間を持つモデル。
約1,000万~1,400万円

※グレードやオプションにより価格は大きく変動します。

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いすゞ・Be-cam/エルフ:真の2t積載クラスの優位性

Be-camの概要と市場での位置づけ

いすゞが提供するBe-cam(びぃーかむ)は、同社の小型トラック「エルフ」をベースに、キャンピングカー専用に特別に作り変えられたシャシーです。一般的なキャブコンの主流が1.5t積みのカムロードであるのに対し、Be-camは2.0t積みシャシーを基礎としており、キャブコン市場ではカムロードに次ぐ「第二勢力」として位置づけられています。

重量耐久力と走行性能の優位性

キャンピングカーは、居住空間であるシェルや、リチウムイオンバッテリー、エアコンなどの装備を架装することで車両重量が増大しがちです。

重量耐久力と安心感
  • 積載量への余裕: Be-camは元々2tトラック用のシャシーをベースにしているため、完全な重量耐久力を持っています。これにより、大型のリチウムイオンバッテリー(例:10kW)やソーラーパネルといった重い装備を搭載しても、積載オーバーのリスクに対してより余裕をもって対応できます。
  • ダブルタイヤ: Be-camベースのキャンピングカーはダブルタイヤを採用しているため、高い積載重量を支え、タイヤバーストに対する安心感を高めている点も大きな特徴です。高い重心を持つキャブコンにおいて、真の2t積載クラスのシャシー耐久力と完全な制動力は、安全性の根幹を成します。
走行性能と専用セッティング

Be-cam はキャビン幅がカムロードより約90mm広く、フレーム剛性や足回りの強さと相まって、キャブコン架装時の安定性が高いと評価されています。安定性の主因は、2tクラスのトラックとして設計された骨格やブレーキ性能にあり、重量級のキャンピングカーにも余裕を持って対応できる点が特徴です。

乗用車のような乗り心地

従来のトラックベースの車両は乗り心地が硬くなりがちですが、Be-camは、縦揺れや横揺れが少なく、従来のトラックとは異なり乗用車に近い、あるいは乗用車以上に乗り心地が良いと感じられるほどに開発されています。また、トラックでありながら走行音が小さく抑えられており、快適な車内環境を提供します。さらに、排気量の割にハイパワーな特性を持ち、重量が増したキャンピングカーでもストレスのない走行環境を実現しています。

最新の運転支援技術の搭載

Be-camの大きな優位性は、カムロードには未搭載の最新の安全装備が充実している点にあります。これにより、長距離運転の負担が大幅に軽減され、安全性が向上しています。

Be-camに搭載されている主要な運転支援装備
安全・運転支援装備 機能概要
全車速車間クルーズ&レーンキープアシスト レベル2自動運転に相当し、高速巡航時に前の車に自動追従する機能。長距離運転の疲労を大幅に軽減する。
タイヤ空気圧モニタリングシステム タイヤのバースト等を予防する。
プリクラッシュブレーキ 前方だけでなく右左折時にも注意喚起や緊急停車をサポートする。
標識認識機能&スピードリミッター 標識を認識し、事故や交通違反の予防をサポートする。

特に全車速車間クルーズ機能は、高速道路の入口から高速巡航までをスムーズに行うことができ、運転の負担を大きく軽減します。

メンテナンス性と電力性能

いすゞBe-camは、キャンピングカー専用車として、整備や電力供給においても優位性を持っています。

全国で可能な点検・修理体制
  • 点検・修理: Be-camベースのキャンピングカーは、運転席キャビンチルトが廃止され、シート座面から点検修理が可能となるよう設計変更が施されています。これにより、ビルダーを介さずとも、全国のいすゞサービスセンターで点検修理を受けられる体制が整っています。
  • 強化改造の不要: 最初から最適な足回りセッティングが施されているため、カスタムや強化改造の必要がない点もメリットです。
大幅に強化された発電能力

電気を多く使用するキャンピングカーのニーズに応えるため、Be-camには、通常のエルフと比較して大幅に発電量の多いオルタネーター(24V 90A = 2160W)が搭載されています。これは、大型バッテリーシステムや家庭用エアコンなどの装備に必要な大容量の電力確保に役立ちます。

Be-camベースの代表的なモデル

いすゞBe-camをベースとするキャブコンは、主に日本特種ボディー(NTB)などによって製造されています。カムロードベースのモデルと比べると価格は高くなる傾向がありますが、その分、安全性、走行性能、快適性において一段上の車格を提供します。

Be-camベースの主要モデル
ビルダー 代表的なモデル 特徴とおおよその新車価格帯
NTB(日本特種ボディー) SAKURA(サクラ) 高い人気を誇るBe-camベースのキャブコン。
約1,300万~1,700万円
NTB(日本特種ボディー) AKATSUKI(アカツキ) 新型Be-camを採用した最新モデル。車幅約2m、全長約5mで運転しやすいよう設計されている。
約1,300万~1,800万円
NTB(日本特種ボディー) エクスペディションイーグル 居住性と走行性能を両立したモデル。
約1,500万~2,000万円
バンテック(過去モデル) ZiL520 CRUISE 過去にエルフをベースとして発売されたモデル。
当時新車価格:約1,000万~1,300万円

※グレードやオプションにより価格は大きく変動します。

Be-camベースが向いているユーザー層

いすゞBe-camベースのキャブコン(例:NTBのSAKURA、AKATSUKIなど)は、その高性能と価格帯から、特定のユーザー層に強く推奨されます。

Be-camベースが適しているユーザー
向いているユーザー 選ぶ理由
長距離・長時間運転を多用するユーザー 全車速クルーズコントロールなどの最新安全装備により、運転疲労が大幅に軽減されるため。
フル装備や長期滞在を望むユーザー 2.0t積載シャシーの余裕と大容量オルタネーターにより、リチウムイオンバッテリーやエアコンなど、重量・電力が必要な装備を躊躇なく搭載できるため。
安全性と快適性を最優先するユーザー カムロードベースに比べて車両価格は高くなる傾向があるものの、その分、安全性、走行安定性、乗り心地が一段上の車格を提供するため。
キャンピングカー運転初心者 Be-cam は衝突被害軽減ブレーキや全車速クルーズコントロールなど、安全支援機能が充実しているため、運転経験が浅いユーザーでも安心して走行できる。車体はカムロード系より大柄になる傾向があるが、安全装備の手厚さがその弱点を補い、初めての大型車でも扱いやすいと感じやすい点が特徴。

Be-camは、走行性能、安全性、電力性能において高いレベルを求めるユーザーにとって、初期投資が高くなっても後悔しないための選択肢となります。

新たな選択肢・いすゞ Travio(トラヴィオ)の登場

いすゞ自動車が2024年11月に発表したTravioは、キャンピングカー向け専用シャシのフラッグシップモデル「Be-cam(ビーカム)」のエントリーモデルとして開発されました。このTravioは、国内で唯一、AT限定普通自動車運転免許で運転が可能なクラスのキャンピングカー専用シャシとして、ディーゼルエンジンを搭載しています。

Travioは、「Travel & mio」の造語であり、「トラックでもっと自由に」というテーマで提案されています。ベース車には軽量な1.9Lディーゼルエンジン「RZ4E」と6速ATが組み合わされており、パワフルかつスムーズな走行を実現します。最高出力は88kW(120PS)、最大トルクは320N・mです。また、キャンピングカーとして相性の良いリヤダブルタイヤを採用しています。

キャンピングカー専用装備として、専用テーパーサスやリヤスタビライザー、ショックアブソーバーを備えた専用サスペンションシステムにより、快適な乗り心地と優れた走行性能を実現しています。また、発電力を強化した12V-150Aのジェネレーターも採用されており、豊富な電力を確保できます。

安全性能においては、業界最先端の充実した先進安全機能が標準装備されており、プリクラッシュブレーキ(直進時)や誤発進抑制機能、車線逸脱警報、ふらつき警報、交差点警報などが搭載されています。

Travioベースの主要モデル

ビルダー 代表的なモデル 特徴とおおよその新車価格帯
NTB(日本特種ボディー) HAYATE(ハヤテ) 「だれでもキャブコン」がテーマ。乗用車と変わらぬ全幅と最小回転半径4.4mのコンパクトさが特徴。
約996万円~
NTB(日本特種ボディー) KAGAYAKI(カガヤキ) 小型軽量ボディとリア2段ベッドが特徴。
約1000万円~
NTB(日本特種ボディー) EXPEDITION STRIKER(エクスペディション ストライカー) 悪路走破性を意識した設計。オールアルミ製超軽量ボディと特殊構造により走破性を向上。
約994万円~
NTB(日本特種ボディー) HAYATE リアエントランスモデル HAYATEのコンパクトさを維持しつつ、後部に開口部を設けたモデル。開放感のある室内を実現。
約1000万円~

いすゞ Be-camとTravioの比較

いすゞのキャンピングカー専用シャシには、ハイエンドのフラッグシップモデル「Be-cam(ビーカム)」と、そのエントリーモデル「Travio」という二つの柱ができました。

いすゞの「Be-cam」は、Travioがエントリーモデルとして登場したことで、より高性能なフラッグシップモデルとしての地位が明確になりました。

特徴 Be-cam Travio
市場の位置づけ フラッグシップモデル エントリーモデル
運転免許 普通免許(中型8t限定など) AT限定普通免許対応
エンジン/変速機 2.999Lディーゼル/ 9速AMT (ISIM) ※MT設定は公式情報なし 1.9Lディーゼル(RZ4E)/ 6速ATのみ
積載・耐久性 高い耐久力と耐荷重性能。シャシ許容総重量は余裕の5150kg。 車両総重量3.5t未満を重視。定員乗車時でも約285kg~470kgの荷物を積載可能(架装により異なる)。
安全装備 全車速車間クルーズ、レーンキープアシストなど最上位の先進運転支援機能を搭載。 プリクラッシュブレーキ、車線逸脱警報、誤発進抑制機能などを標準装備。

メンテナンス性と整備ネットワーク:トヨタ vs いすゞ

カムロード:整備対応は可能だが「どのトヨタ店でもできるわけではない」

キャンピングカー市場の中心的な存在であるトヨタのカムロードは、トヨタの小型トラック「ダイナ」を源流とする専用シャシーです。車両総重量が5t未満に収まる構成が多く、一般的な乗用車と同じ区分で整備されるケースが多いことも特徴です。

ただし、カムロードの整備については「トヨタ製なので全国どこでも整備できる」と断定することはできません。実際には、整備可能な店舗には以下の条件が伴うため、注意が必要です。

整備可能な店舗の条件
  • 小型トラック(ダイナ系)の整備経験があること
  • ピットの高さやリフト能力がキャブコンに対応していること
  • 店舗方針としてキャンピングカー整備を受けていること

これらの条件が揃っていない店舗では、車両の大きさや重量、作業リスクの観点から整備を断られるケースがあります。そのため、カムロードは整備可能店舗が多い傾向にはありますが、事前に対応できるトヨタ店を探す必要がある点は押さえておくべきポイントです。

また、架装(キャンピングカー部分)についてはトヨタでは整備できないため、ビルダーでの修理が必要になります。

Be-cam:商用車に特化したいすゞサービス網による安定した整備体制

いすゞのBe-cam(びぃーかむ)は、小型トラック「エルフ」をベースにキャンピングカー向けに仕様を調整した専用シャシーです。2t積載クラスの強度を備え、ディーゼルエンジンの耐久性と高い制動力から、重量級キャブコンに適したベース車として採用が増えています。

キャンピングカー向けに最適化された整備構造

Be-camは、全国のいすゞサービスセンターで点検・修理が行いやすいよう、通常のエルフとは異なる構造が採用されています。

  • 整備アクセス: 代表的な変更点として、キャビンチルトを基本操作から外し、シート下からエンジンアクセスできるようにすることで、架装との干渉リスクを避けています。この構造により、一般的なエルフ整備と同様の設備でメンテナンスが可能となっています。
  • 足回り設定: 足回りやサスペンションは最初からキャンピングカーの重量を想定した設定となっているため、追加の補強カスタムを必要としない点もメリットです。
商用整備に強いネットワーク

いすゞは商用車整備に特化したサービス網を全国に展開しており、重量物の整備に必要な設備や経験が豊富です。商用車として利用されるエルフの整備文化がそのままBe-camにも適用されるため、遠方の旅先で故障した場合でも整備対応の確度が高いことはユーザーにとって安心材料になります。

整備コストと専門性:どちらのベース車にも特有の注意点がある

キャンピングカーはビルダーから購入することが一般的ですが、ベース車限定の車検や法定点検は、トヨタ・いすゞいずれのネットワークでも対応が可能です。ただし、以下の点には注意が必要です。

重量級車両としてのメンテナンス要件

カムロードもBe-camも、居住部分を載せることで常に高い荷重状態で走行します。そのため、タイヤ、ブレーキ、サスペンションといった重量物対応のメンテナンスが特に重要となります。Be-camはシャシー余裕が大きい一方で、定期的な点検が不可欠であることは変わりません。

架装部分の整備はビルダーが担当

トヨタ・いすゞの整備網はいずれも「車両部分のみ」が対象であり、FFヒーター、電装系、家具、配線、換気設備など、キャンピングカー独自の装備に関してはビルダーまたは専門店でのメンテナンスが必要になります。

中古市場の実態と価格差:カムロード中心の流通量とBe-camの希少性

中古キャブコン市場におけるカムロードの圧倒的地位

キャンピングカー市場において、トヨタ・カムロードは20年以上にわたりキャブコン市場を牽引してきた圧倒的な主流のベース車両です。この圧倒的な主流性は、中古市場の実態にも明確に反映されています。

ユーザー認知度と流通台数の多さ

カムロードは、採用ビルダー数、ユーザー認知度、そして中古市場での流通台数のすべてにおいてトップの位置を占めています。一般ユーザーが「2トンクラス」の本格的なキャンピングカーを探す際、その標準仕様と認識されているのはカムロードベースのモデルであるため、市場規模が非常に大きく、中古車を探しやすい状況にあります。

この高い市場での代表性は、購入後の売却時にも有利に働きます。カムロードベースのキャブコンは、中古市場での人気が高いため、リセールバリュー(再販価値)が期待できるタイプです。

カムロードベースの主要人気モデル

  • バンテックのZiL(ジル)シリーズ
  • ナッツRVのクレア&スティング

これらの主要人気モデルは、買取実績においても高い評価を得ています。

Be-camベースの希少性と高価格帯

一方、いすゞのBe-cam/エルフをベースとするキャブコンは、カムロードに次ぐ「第二勢力」として市場に存在していますが、採用ビルダー数や歴史、中古市場規模においてはカムロードに大きく劣るのが現状です。

価格が高くなる傾向

Be-camは2.0t積載シャシーをベースとし、カムロードよりも走行安定性や安全性、乗り心地において「一段上の車格」を提供する高性能モデルです。その分、一般的にカムロードベースのモデルと比較して価格が高くなる傾向があります。この価格帯の違いは、新車時だけでなく、中古市場にも影響を及ぼします。

Be-camの優位性の一つは、全車速車間クルーズやレーンキープアシストなどの最新安全装備が充実している点ですが、こうした高性能なベース車両を持つモデルは、中古市場でも相応の価値が維持される傾向があります。

ターゲットユーザーの違いと中古車構成

Be-camベースのモデルは、大型のリチウムイオンバッテリー(例:10kW)や家庭用エアコンなど、重量と電力が必要なフル装備を前提としたユーザーや、安全性と走行安定性を最優先するユーザーに選ばれる傾向が強いです。

そのため、中古市場で見かける場合も、カムロードベースの汎用的なモデルに比べ、高性能な架装や設備が搭載されているケースが多く、結果として高価格帯で取引される傾向があります。

中古キャブコン選びの選択肢

全体として、中古のキャブコンを選ぶ場合、流通量が多く選択肢が豊富でリセールバリューに優れるカムロードが中心となりますが、最新の安全装備や重量耐久性を重視する場合は、流通量は少ないものの性能に優れるBe-camベースのモデルが選択肢となります。

その他のベース車(アトラス・タイタン・キャンター)が主流にならなかった理由

トラックベースのキャンピングカー市場では、トヨタ・カムロードが長年標準的な存在として確立し、その後Be-camが選択肢として台頭してきました。一方で、日産アトラス(マツダ・タイタンを含む)や三菱ふそうキャンターといった他社の小型トラックは、商用車としては十分な実績を持ちながら、キャブコン市場で主流となるまでには至りませんでした。

ここでは、その背景を市場構造と技術面の観点から整理してご説明します。

シャシー設計とキャンピングカー適性の違い

アトラス、タイタン、キャンターはいずれも優れた小型トラックですが、基本的には荷物輸送を目的とした商用設計です。

カムロードがキャンピングカー架装を想定し、足回りやフレーム剛性を含めて“乗用+居住空間”向きに最適化されているのに対し、他社モデルは標準状態のままだとキャブコン架装時の揺れや荷重移動に対し十分な調整が行われていませんでした。このシャシー設計の違いが、ビルダー側の採用判断を左右する大きな要因となっています。

採用ビルダーが少なく、市場浸透が進まなかったこと

キャンピングカー市場では、あるベース車が主流になるとユーザーの認知やビルダーの安心感が固まり、同じ車種を使い続ける傾向が強くなります。アトラスやキャンターを採用するビルダーは過去に存在しましたが、数としては多くなく、全国的な普及には至りませんでした。

ビルダーにとっては整備性、部品供給、各種ノウハウの蓄積が重要であり、すでに優位性を確立したカムロードから積極的に乗り換えるインセンティブが弱かったと言えます。

走行フィールとユーザーの求める乗り心地のギャップ

  • キャンターの課題: キャンターは耐久性が高くパワーにも余裕がありますが、車体重量の重さや足回りの硬さがそのまま乗り心地に影響し、キャブコンとしては「トラック感」が強く残るケースがありました。
  • アトラス/タイタンの課題: アトラスやタイタンは軽快な特性を持つものの、キャンピングカーとしての背高・重量増加といった条件に最適化されていなかったため、架装後の安定性や静粛性の面で評価が分かれることがありました。

ユーザーが求めるのは「長距離移動で疲れにくい快適性」であり、ここで専用設計を持つカムロードが優位に立ちました。

整備ネットワークとアフターサポートの差

キャンピングカーは遠方への長距離移動が前提となるため、整備性は購入検討時の重要な判断材料です。

トヨタの整備網は国内でも圧倒的に広く、どこでも点検・修理できる安心感があります。商用車の整備網を持つアトラスやキャンターも対応力は高いものの、レジャーユースにおける柔軟性や部品供給の安心感という点ではトヨタに及びませんでした。この差がビルダーとユーザー双方の選択に大きく影響しました。

中古市場での流通量が少なく、選ばれにくかったこと

中古のキャブコン市場は「カムロード一強」と言ってよいほど流通量が偏っています。これは、新車時にカムロードが採用され続けてきた結果ですが、ユーザーにとっては「売りやすさ」「情報量の豊富さ」といった利点があり、新車選びにも影響する重要なポイントです。

アトラスやキャンターは新車時点での採用が限られていたため、中古市場でも希少で、結果的にさらに選びにくい状況を招きました。

成熟市場における後発参入の難しさ

キャブコン市場は長く続く成熟ジャンルであり、主流が固定化されやすい特徴があります。たとえスペック的に優れた点があっても、既存のビルダー体制やユーザーの認知度、整備性、対応ノウハウなど、数多くの要素が「主流交代」の障壁となります。

アトラスやキャンターが持つ性能自体は十分魅力的ですが、市場を根本から揺るがすほどの強力な優位性を発揮できなかったため、主流化するには至りませんでした。

まとめ

アトラス、タイタン、キャンターがキャブコン市場で主流とならなかった背景には、シャシー適性、ビルダーの採用状況、走行特性、整備ネットワーク、中古市場の流通量といった多面的な要因があります。商用トラックとしては非常に優れた車両でありながら、キャンピングカーという特殊用途では、専用設計を持つカムロードが長期的に築いてきた優位性を覆すことが難しかったというのが実情です。

2トントラック系キャンピングカーの運用管理のポイント

  • ディーゼルとガソリンの燃費・パワー・長距離性能の比較
  • 車両総重量(GVW)と免許区分の境界線:どこまで普通免許で運転できるか
  • 安全性と重量管理:ダブルタイヤ、車両重量、タイヤ荷重のリスク
  • 2トンクラスの維持費:税金、車検、ランニングコストの概算
  • キャブコンの課題:駐車場の確保と都市部での取り回し
  • 2tトラックをベースにしたDIY(自作)の構造と法規制(トラキャンとの違い)

ディーゼルとガソリンの燃費・パワー・長距離性能の比較

キャンピングカーのベース車両を選ぶ際、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのどちらを選択するかは、ランニングコストや長距離移動時の快適性に大きく影響する重要な要素となります。特にキャブコンは、居住シェルなどの架装により車両重量が常に重くなるため、エンジンの種類によってその性能差が顕著に現れます。

燃費と燃料費におけるディーゼルの優位性

一般的に、ディーゼル車はガソリン車に比べて燃費が良好であり、さらに使用燃料である軽油はガソリンよりも割安であるため、ランニングコストとしての燃料費に大きな差が出ます。

年間燃料コストの具体的な差

例えば、排気量2,000ccのガソリンエンジンのバンコンの平均燃費が6~8km/Lであるのに対し、同型車の2,700ccディーゼルエンジン仕様では8~10km/Lほどの燃費性能を発揮します。

  • 燃料代の差: 年間1万kmを走行した場合、ガソリン車とディーゼル車では、燃料代がおよそ年間75,000円ほどの差が生じる計算になります。

この燃料費の差は長距離運用や頻繁な利用を予定しているユーザーにとっては大きなメリットとなります。

ただし、ディーゼル車はガソリン車に比べて車両価格が50万円から100万円ほど割高になる傾向があるため、その差額を燃料費の節約で埋めるためにはおよそ7年から13年間かかるという側面も考慮が必要です。

パワーと長距離走行性能

トラックベースのキャンピングカーは、その重い車体(満載時4トン近くになることもあります)を動かすため、十分なトルクとパワーが求められます。

エンジン性能と走行体験

特に古いタイプのキャンピングカーやノンターボのディーゼルエンジンでは、走行性能、特に高速道路での運転時に苦労したという事例が報告されています。ノンターボのエンジンでは、空荷状態でも走らないと感じるほどであり、重いキャンピングカーではさらに走行性能が低下すると予想されます。

しかし、近年主流となっているカムロードやいすゞBe-camなどに搭載されるディーゼルエンジンは、キャンピングカーの重量増加を考慮した専用の改良が施されています。

主要ベース車のエンジン性能
  • カムロード: 排気量の割にハイパワーであり、キャンピングシェルを架装した状態でもストレスの少ない走行環境を実現します。
  • いすゞBe-cam: 最高出力110kw(150PS)となるよう改良されたディーゼルエンジンを搭載し、重量が大きくなりがちなキャンピングカーでもストレスのない走行環境を実現します。

最新のディーゼルエンジンは強力な走行性能を持つため、長距離運転における疲労軽減に貢献します。

市場における選択肢の偏り

キャブコン市場で圧倒的主流であるトヨタ・カムロードにおいては、横風への安定性を向上させるため、現行型のディーゼルモデルはすべてダブルタイヤに変更されていますが、ガソリン車モデルはディーゼル車に比べてあまり多く取り扱われていません。このことからも、キャンピングカーとして高い走行安定性や積載能力を求める場合、ディーゼルエンジンが自然な選択肢となっていることがわかります。

車両総重量(GVW)と免許区分の境界線:どこまで普通免許で運転できるか

キャンピングカー、特にトラックベースのキャブコンを運転する際、最も重要な法的制限の一つが車両総重量(GVW:Gross Vehicle Weight)であり、これはドライバーが普通自動車免許を取得した時期によって上限が厳しく定められています。

車両総重量とは、トラックの全体の重さである車両重量に、乗車が許される定員(一人あたり55kgで計算)と最大積載量を積んだ、走行可能な状態での全重量のことです。

免許制度の変遷と車両総重量の基準

過去の運転免許制度の改正により、普通免許で運転できる車両の範囲は段階的に狭くなっています。

取得年月日 車両総重量(GVW)上限 最大積載量上限
〜平成19年6月1日 8t未満 5t未満
平成19年6月2日~平成29年3月11日 5t未満 3t未満
平成29年3月12日~ 3.5t未満 2t未満

現行普通免許(平成29年3月12日以降取得)の制限

最も新しい平成29年3月12日以降に普通免許を取得したドライバーの場合、運転できる車両の総重量は3.5トン未満(かつ最大積載量2トン未満)に制限されます。

従来の免許制度では、ほとんどの国産キャンピングカーは車両総重量5トン未満に収まっていたため、普通免許で運転可能でした。しかし、現行制度で上限が3.5トンに引き下げられたことで、キャンピングカー業界ではこの3.5トンが重要な境界線となっています。

もし運転するキャンピングカーの車両総重量が3.5トンを超えた場合、現行の普通免許では運転することができず、準中型免許以上が必要となります。

キャブコンへの影響:3.5トン未満の壁

キャブコンは、居住空間であるシェルや、リチウムイオンバッテリー、エアコンなどの装備(架装部分)によって車両重量が増大し、常に重い状態になりがちです。

カムロードベースのモデル

キャブコン市場で主流であるトヨタ・カムロード(1.5t積み)をベースにした一般的なモデルは、通常は車両総重量3.5トン未満に収まる傾向があるため、現行の普通免許でも運転できることが多いです。

2tトラックベースのモデルや大型モデル

一方、いすゞ・Be-cam(エルフ)など真の2トントラックベースのキャブコン、あるいは輸入車のフィアット・デュカトベースの一部、バスコンなどは、架装後の車両総重量が3.5トンを超えてしまう可能性があります。

特にキャンピングカーは「満載時4トン近くになる」こともあり、リチウムイオンバッテリーなどの重量装備を搭載する際は、ベース車両の積載余裕に関わらず、免許区分の上限を超過しないか注意が必要です。

準中型免許の取得推奨

これから免許を取得する、あるいはキャンピングカーの買い替えを検討している若年層のユーザーが、運転可能な車両の選択肢を広げ、大型のキャブコンやバスコンも視野に入れたいと考える場合、準中型免許を取得することが推奨されます。

準中型免許は、普通免許の取得制限(平成19年6月2日以降の5トン限定など)がなく、18歳以上で取得が可能です。これにより、最大積載量4.5トン未満、車両総重量7.5トン未満までの運転が許可されるため、カムロードや高性能なBe-camベースのキャブコンといった幅広いモデルを安心して選ぶことができるようになります。

安全性と重量管理:ダブルタイヤ、車両重量、タイヤ荷重のリスク

キャブコンにおける重量管理の重要性

トラックベースのキャンピングカー、特にキャブコンは、居住空間であるキャンピングシェルや、リチウムイオンバッテリー、エアコンなどの充実した装備(架装部分)を搭載しているため、通常の自動車よりも重量が重くなります。ベースが1.25トンのトラックであっても、満載時には4トン近くになることもあり、これはベース車両の積載量の限界に近い状態です。

運転感覚とリスク

車両総重量が増加することに伴い、キャンピングカーの運転感覚は乗用車とは大きく異なり、運転には細心の注意が必要です。

  • ブレーキ性能: 重さによって、ブレーキの利きは通常の車より悪くなります。
  • 横転リスク: 急ブレーキを踏むと車両が横転するリスクもあるため、スピードと車間距離には十分注意しなければなりません。

走行安定性の低下と重量バランス

キャブコンは、全高が高く搭乗席位置も高い反面、重心も高くなります。重たいキャンピングシェルを積んでいるため、走行安定性にはどうしても難があり、急にハンドルを切ると大きくグラつき、強風にあおられて横転したり、大型トラックの走行風でハンドルを取られてバランスを崩したりする事故が多発しています。このため、高速道路では時速80km以下での走行が推奨されています。

重量バランスの調整

安全性を確保するためには、重量物の配置が非常に重要です。

  • 重心を下げる: 重量物は床下や前方に配置し、重心を低く保つこと。
  • 左右バランス: 内装パネルなども均等に配置し、左右のバランスに配慮することが求められます。

タイヤ荷重の超過リスクとダブルタイヤの重要性

キャンピングカーのタイヤは、常に重たい積載重量の負荷に晒されています。特にトラックベースのキャンピングカーは、デフォルトのタイヤでは耐荷重が不足している場合があり、タイヤバーストのリスクを抱えています。

タイヤの耐荷重と交換頻度

例えば、ある国産キャブコンのデフォルトタイヤは、満載時4トン近い重量に対して耐荷重が足りていない事例が報告されています。この状態で使用を続けると、タイヤが変形しやすくなり、バーストするリスクが増します。

  • 交換の必要性: タイヤバーストを避けるためには、定期的な点検と交換が必須です。タイヤには高い負荷と高い空気圧(5キロ以上)が必要であり、オーナーによっては3年ごとに新品に交換し、バーストのリスクを下げています。
  • タイヤ交換時の注意: タイヤ交換時には、ワンステップ上の耐荷重のあるタイヤを選ぶことが推奨されています。
ダブルタイヤの安心感

ベース車両の構造として、ダブルタイヤを採用していることは、安全性において重要な安心材料となります。いすゞのBe-camや、現行型のカムロードのディーゼルモデルはすべてダブルタイヤに変更されており、タイヤバーストに対する安心感を高め、高い積載重量を支える構造になっています。

万が一バーストが発生すると、まるでタイヤが爆発したかのような音と共に、大事故につながる恐れがあるため、走行前に必ずタイヤのチェックを行い、異常(ゴツゴツ音、ハンドルのブレなど)を感じたら直ちに停車して確認する勇気を持つことが大切です。

過積載への法規制と自己責任

キャンピングカーが過剰な装備を積み、ベース車両の積載量の限界を超えてしまうことは非常に危険です。

特に「完全自立式の快適なキャンピングカーを目指すなら、リヤがダブルタイヤの2トンのベース車両でないと、ほとんど積載オーバーとなり危険である」という指摘もあります。

  • オーナーの責任: キャンピングカーのオーナーは、車両の限界やリスクをあらかじめ理解し、過剰な装備はよく考慮して最小限に留めるべきです。過積載による車両の限界以上の重量オーバーは、トラックにおける過積載と同じく、重大な事故につながる可能性があるため、自己責任において厳しく管理する必要があります。

2トンクラスの維持費:税金、車検、ランニングコストの概算

キャンピングカー、特に2トンクラスのトラックをベースとしたキャブコン(カムロードやBe-camなど)は、そのサイズや登録形態(8ナンバーが主流)により、維持費の構成が乗用車とは異なります。一般にキャンピングカーは、見た目が大きく立派であるため高額な維持費がかかると誤解されがちですが、実際には税制面で優遇されているため、乗用車と比べて大きな差がないか、むしろ負担が小さい場合もあります。

法定費用:税金と自賠責保険料

法定費用とは、車両の所有者が法律で支払いを義務付けられた費用であり、登録ナンバーによって金額が定められます。キャブコンは外観や構造を改造しているため、多くの場合「8ナンバー(特種用途自動車)」として登録されます。

8ナンバーキャンピング車の年間法定費用(例:2,000cc/2.5t未満)
項目 年間税額(概算) 概要
自動車税 31,600円 乗用車(3ナンバー)に比べて割安な設定である。
自動車重量税 12,300円(2年車検を年間換算) 乗用車(3・5ナンバー)より安い税額となっている。
自賠責保険料 13,930円(年間換算) 乗用車と大差ないが、若干割高となる傾向がある。
合計 57,830円 同条件の乗用車(69,200円)よりも費用負担が小さい。

総合計で見た場合、排気量2,000cc、車両重量2.5t未満のモデルを例にとると、8ナンバーキャンピング車の年間法定費用合計は57,830円となり、同条件の乗用車よりも費用負担が小さいことがわかります。

必須費用:車検・保険・駐車場代

法定費用以外にも、安全運行と所有のために必ず必要となる費用があります。

車検費用と整備メンテナンス費用

8ナンバーキャンピング車は2年ごとに車検を受けることが義務付けられています(商用車登録の1・4ナンバーは1年ごと)。車検時にかかる費用には、法定費用に加えて、車検代行料、整備・メンテナンス料金、および部品代(オイル交換など)が含まれます。

  • 整備メンテナンス: ベース車両の車検や整備点検は、キャンピングカー専門店が請け負ってくれるケースがほとんどです。
  • 部品交換: 大型キャブコンは常に重量物を積んでいるため、タイヤに高い負荷がかかり、2~3年おきに交換が必要となるなど、ランニングコストは高めになる傾向があります。
任意保険料

任意保険は加入が必須ではありませんが、事故時の賠償を考慮すると加入が不可欠です。キャンピングカーの任意保険料は、車種や保険内容にもよりますが、乗用車より若干割高な掛け金となる傾向があります。

駐車場料金

キャンピングカーを購入する際は、車庫証明の提出が義務付けられているため、駐車場料金が発生します。

  • コスト負担: 特にキャブコンは車体が大きいため、一般の乗用車区画に入りきらないことが多く、2台分の区画を契約する必要があるなど、コスト負担が大きくなりがちです。
  • 都市部の課題: 都市部では、保管場所の確保自体が大型キャンピングカーの大きな弱点の一つです。

ある2トントラックを自家用車として所有している事例では、年間の維持費概算約430,000円のうち、駐車場代が年間約105,000円を占めており、維持費のなかで駐車場代の割合が相当なものであることが示されています。

日常的なランニングコスト

燃料費

燃料費は、ランニングコストのなかで最も身近なものです。多くのキャブコンはディーゼルエンジンを搭載しており、ディーゼル車はガソリン車に比べて燃費が良好な上、燃料である軽油が割安なため、燃料費を節約できるメリットがあります。

ただし、ディーゼル車は車両価格がガソリン車より50万円~100万円ほど割高になるため、その差額を燃料費で埋めるには7~13年かかる計算となります。

道路利用料とその他費用
  • 道路利用料: 高速道路や有料道路の料金は、1・4ナンバーのバンコンも8ナンバーのキャブコンも、普通車区分となるため、ナンバーによる差額はほとんどありません。
  • その他費用: キャンプ場やRVランドなどの施設利用料、エンジンオイルやタイヤなどの消耗品・部品の交換費用も発生します。

キャンピングカーの維持費は、税制優遇がある一方で、車両のサイズと重量による駐車場代やタイヤ交換などの特殊なコストがかかる点が特徴です。

キャブコンの課題:駐車場の確保と都市部での取り回し

駐車場の確保:キャブコン購入の最大のハードル

2トンクラスのトラックをベースとしたキャブコン(キャブオーバートラック型キャンピングカー)は、広大な居住空間を持つという大きな魅力がある反面、その大きな車体サイズゆえに駐車場の確保が非常に大きな課題となります。これは、キャンピングカー購入契約をしたものの、駐車場が見つからず納車に至らなかったという事例があるほど、必ずクリアしなければならないハードルです。

駐車場探しの難しさ

キャブコンの一般的な寸法は、全長5000mm超、全幅2000mm超、全高2600~2900mmが目安です。

  • 車庫証明の課題: 一般の駐車場は乗用車の駐車を前提としており、5m x 2mというサイズ設定の場合が多いですが、キャブコンはこの縦横のサイズがはみ出してしまうと車庫証明を取得できません。
  • コスト負担の増大: オーナーから、大きな車は他車の迷惑になるとして、2台分の区画を借りるように言われるケースがあり、月極料金が2倍になるなどコスト負担が大きくなりがちです。
  • 都市部の問題: 都会での駐車場問題はさらに難しく、大型キャンピングカーの弱点の一つとされています。
保管場所の確保に関する選択肢

キャンピングカーの購入時には車庫証明の提出が義務付けられているため、購入検討と並行して駐車場探しを早めに進めることが推奨されます。

  • モータープールの利用: 大型キャンピングカーやトレーラーの保管施設として「モータープール」が存在しますが、自宅から離れている場合(例えば車で20分程度の距離)は、メンテナンスや忘れ物を取りに行く際に不便さが生じます。

都市部や狭い道での取り回しと運転上の注意

キャブコンは、その大きな車体サイズと構造的な特性から、都市部や狭い道での取り回しに気を遣う必要があります。

運転感覚とサイズの制限
  • 運転感覚の差異: トラックをベースとしたキャブコンは、全くトラックを運転したことがない人にとっては、普通乗用車との運転感覚の大きな違いに戸惑うことがあります。エンジンの上に運転席があるキャブオーバー構造のため、普通乗用車に比べ少し遅れてハンドルを切ることが乗り方のコツとなります。
  • 全高の制限: キャブコンは全高が高く、特に全高2600mm~2900mm程度あります。そのため、高さ制限のあるトンネルや、立体駐車場、ドライブスルーの利用はできません。また、キャンプ場の木や駐車場の発券機の雨除けなど、上方部に障害物がある場所では、必ず降りて確認する必要があります。
  • 車幅の注意: ベース車の全幅を大きく超える架装部分(シェル)の幅にも注意が必要です。運転席あたりは通れても、幅の広い後部を擦ってしまうリスクがあります。
高重心と横風の影響

キャブコンは全高が高く、重たいキャンピングシェルを積んでいるため重心も高くなります。この高重心により走行安定性はやや悪く、運転に気を遣います。

  • グラつきと横転リスク: 急にハンドルを切ると大きくグラつき、強風にあおられて横転したり、大型トラックの走行風でハンドルを取られてバランスを崩す事故が多発しています。
  • 速度制限: この不安定さから、特に高速道路では80km/h以下での走行が推奨されています。
リヤオーバーハングの注意

キャブコンは、リヤタイヤから後ろの架装部分(リヤオーバーハング)が長くなる傾向があるため、交差点での右左折時や駐車場での最後部の飛び出しにも注意が必要です。

総じて、キャブコンでの旅の順路は、できるだけ広い道路を選択し、自分の車の全高を認識しながら、一つ一つの動作をしっかりゆっくり確認して運転する必要があります。

2tトラックをベースにしたDIY(自作)の構造と法規制(トラキャンとの違い)

2tトラックDIYキャンピングカーの基本構造

2トントラックをベースにキャンピングカーを自作(DIY)する場合、主流となるのは、荷台部分にシェル(居住空間)やモバイルハウスを設置するスタイルです。2tトラックは1tタイプよりも積載量とスペースが広く、日本の道路事情にも適応しやすいサイズ感であり、DIY初心者でも扱いやすいという支持を得ています。また、ベース車両の選択肢が多いことも魅力です。

構造設計のポイント

自作において、内装の断熱やベッド設置、収納スペースの工夫まで、限られたスペースを最大限に活用できるのが大きな魅力です。シェルやモバイルハウスを設置する際は、荷台の強度と積載量を守ることが最優先されます。

主な材料

  • 構造用合板・角材:荷台の床や壁、骨組みに用いられます。
  • 断熱材:スタイロフォームやグラスウールが、高断熱かつ軽量であるため、壁や床の断熱材として最適です。
  • 外壁材・屋根:軽量で耐水性の高いFRPパネルや、サビに強く外観が美しく仕上がるアルミ複合板などが推奨されます。
  • 防水対策:雨漏り防止のため、屋根や壁には防水シートやコーキング剤を使用した徹底した防水処理が不可欠です。特に荷台と壁の接合部、外壁と屋根の接合部は水の侵入が多いため、丁寧な処理が必要です。

設計段階では、重量バランスの調整が安全確保に最も重要であり、重量物は床下や前方に配置し、重心を低く保つことが求められます。

法規制と構造変更の必要性

自作キャンピングカーには、市販のキャブコンと同様に、車検や登録の手間が伴います。自作したキャンピングカーを公道走行させるためには、法規制と車検対応が必須です。

8ナンバー登録(構造変更申請)

荷台を居住スペースとして改造し、人を乗せて走行することを可能にするためには、構造変更申請を行い、8ナンバー(キャンピングカー登録)を取得するのが一般的です。この手続きを怠ると、公道を走行できません。

  • 法定要件: キャンピング車として登録するためには、就寝設備や調理設備など、法定要件を満たす必要があります。
  • 検査: 構造変更検査では、改造内容の確認、計測、写真提出が行われ、基準適合が確認されて初めて8ナンバー登録と車検証交付が行われます。
遵守すべきサイズと重量の制限
  • 車両サイズ制限: 長さ、幅、高さとも車検証記載の数値を超えない範囲でのカスタムが必要です。
  • 重量制限: 車両の最大積載量や車両総重量を厳守しなければなりません。重量オーバーは車検不合格や走行性能低下の原因となるため、設計段階での重量計算の徹底が必要です。

トラックの荷台を居住空間にして人を運ぶことは、トラックのまま(1ナンバーや4ナンバーのまま)では禁止されていますが、トラックを改造してキャンピング車(8ナンバー)に登録変更すれば、荷台部分を居住空間として使用し、人を運ぶことは可能です。

トラキャン(トラックキャンパー)との決定的な違い

2トントラックをベースにした「キャブコン型DIY」と、「トラキャン(トラックキャンパー)」は、構造と法規制の点で根本的に異なります。

シェルの固定方法と「荷物」の定義

トラキャン(トラックキャンパー)は、荷台にシェルを「荷物」として積載するスタイルを指します。トラキャン最大のメリットは、シェルが荷物扱いであるため、脱着が可能である点です。

  • 固定方法の制限: トラキャンとして認められるためには、シェルは積載物として扱われる必要があり、車体への接着や溶接による固定をしてはいけません。もし溶接などで固定してしまうと、それは車体の一部と見なされ、構造変更(8ナンバー登録など)が必要となります。
  • 工具の使用不可: トラキャンは「荷物」であるため、手で外せる方法(ラッシングベルトなど)で固定する義務がありますが、ボルトなどで工具が必要になる止め方はできません。
走行中の乗車と自由度

「荷物」であるトラキャンのシェル内部は、走行中に人が乗ることはできません(シートベルトがある座席のみ乗車可能)。この点は、改造して8ナンバーを取得し、乗車定員が増員されたキャンピングカー(キャブコン)と大きく異なります。

一方、トラキャンは荷物扱いのため、シェル内部のレイアウトや設備に関する法規制(ギャレーの有無、ベッドの寸法など)は適用されません。重さ(最大積載量以内)と大きさ(全長・全幅・全高の規定内)の制限さえクリアすれば、内装はどんなレイアウトにしても自由です。

構造と法規制の比較
項目 キャブコン型DIY(8ナンバー登録) トラキャン(荷物扱い)
基本構造 荷台部分を永続的な居住空間に改造し車体と一体化させる。 荷台にシェルを「荷物」として一時的に積載する。
法規制 構造変更申請(8ナンバー登録)が必須。 構造変更は不要。ただし積載に関する法規厳守。
固定方法 車体と強固に固定(溶接、ボルトなど)。 手で外せる方法での固定が必須(ボルト/工具での固定は不可)。
走行中の乗車 居住空間に乗車定員分の人が乗れる。 荷台上のシェル内部に人は乗れない。
設備規定 就寝設備、調理設備など8ナンバーの法定要件を満たす必要がある。 設備に関する法定要件はない。
費用 構造変更申請費用などがかかる。 車検ごとに装備を取り外す必要がない(ただしシェルは荷物)。
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2トントラック系したキャンピングカーの購入ガイド:まとめ

記事のポイントをまとめます。

  • 「2トントラックをベースにしたキャンピングカー」とは、主にキャブコンを指す総称であり、厳密な2.0t積載区分ではない
  • キャブコンの最大の魅力はバンクベッドを持つ広大な居住空間と高い断熱性である
  • 市場の圧倒的な主流はトヨタ・カムロード(1.5t積み)であり、中古市場でも流通量とリセールバリューに優れる
  • いすゞ・Be-camは2.0t積載シャシーがベースで、架装後の重量増加に余裕があり、走行安定性や安全装備が優位である
  • Be-camは全車速クルーズや車線維持アシストなど最新の運転支援機能が充実している
  • カムロードは整備可能なトヨタ店を探す必要があるが、Be-camはいすゞの商用車ネットワークで点検・修理対応が安定している
  • Travioは、2024年にいすゞが新たに投入したキャンピングカー専用シャシー。
  • 日産アトラスや三菱ふそうキャンターは、シャシー適性や市場浸透度の問題でキャブコンの主流にはならなかった
  • ディーゼル車はガソリン車に比べ燃費と燃料費に優れ、重い車体での長距離運転の疲労軽減に貢献する
  • 現行の普通免許(平成29年3月12日以降取得)では、車両総重量が3.5トン未満の2トントラックをベースにしたキャンピングカーしか運転できない
  • 重量級のキャブコンを運転するには、準中型免許の取得が車両選択肢を広げる上で推奨される
  • 2トントラックをベースにしたキャンピングカーは常に高荷重なため、タイヤの耐荷重超過リスクがあり、ダブルタイヤ構造が安全上重要である
  • キャブコンは税制優遇(8ナンバー)により法定費用は抑えられるが、駐車場代やタイヤ交換費用が高くなる傾向がある
  • キャブコンの一般的な全高(2.6m~2.9m)は、立体駐車場やドライブスルーの利用を不可能にする
  • DIYで荷台を居住空間にする場合、公道走行のためには構造変更(8ナンバー登録)が必須となる
  • トラキャン(トラックキャンパー)はシェルが「荷物」扱いで脱着可能だが、走行中にシェル内部に人は乗れない

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