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キャンピングカーの冷蔵庫選び|容量・冷却方式・使い方まで

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キャンピングカーでの旅を計画しているあなたにとって、冷蔵庫は旅の快適性を左右する重要な要素ですよね。特に夏の厳しい暑さの中では、冷たい飲み物や新鮮な食材をいつでも手元に置ける冷蔵庫は、もはや必須アイテムと言えるでしょう。移動中に食料の購入が難しい場所でも、冷蔵庫があれば食材の鮮度を保ち、旅の選択肢を大きく広げてくれます。

しかし、一口にキャンピングカー用冷蔵庫と言っても、その種類や選び方、効率的な使い方には様々なポイントがあります。この記事では、あなたの疑問を解消し、後悔しない冷蔵庫選びと快適なキャンピングカーライフを送るための情報をご紹介します。

ポイント

  1. キャンピングカー冷蔵庫の冷却方式と特性がわかる
  2. 旅のスタイルに合った冷蔵庫の容量と設置場所がわかる
  3. 効率的な電力管理と節電術がわかる
  4. 家庭用冷蔵庫を車で使う際の注意点がわかる

キャンピングカーの冷蔵庫選び|冷却方式と容量別選び方

  • 夏の旅に欠かせない、キャンピングカー用冷蔵庫
  • キャンピングカーに冷蔵庫は本当に必要?
  • 主要な冷却方式:圧縮式(コンプレッサー式)
  • 主要な冷却方式:気化式(吸熱式)
  • 主要な冷却方式:電子式(ペルチェ式)
  • キャンピングカー冷蔵庫選びの5つのポイント
  • 内蔵型(ビルトイン)おすすめの冷蔵庫
  • ポータブル型おすすめの冷蔵庫
  • 少人数・ライトユーザー向け(〜40L程度)
  • ファミリー・長期旅行向け(50L〜90L以上)
  • エンゲル製冷蔵庫の魅力と特徴

夏の旅に欠かせない、キャンピングカー用冷蔵庫

夏のキャンピングカーでの旅を心ゆくまで快適に過ごすためには、冷蔵庫が欠かせないアイテムです。近年は特に猛暑が厳しく、冷たい飲み物や新鮮な食材をいつでも手元に置ける冷蔵庫は、もはや必須と言えるでしょう。食材の鮮度を保ち、冷えたドリンクを気軽に楽しめるこの便利なアイテムがなければ、旅の質は大きく損なわれてしまいます。

都市部であれば遅くまで開いているスーパーやコンビニエンスストアも多いですが、山間部などでは移動中に食料を購入できる場所が限られることが頻繁にあります。このような状況でクーラーボックスに頼る方法も考えられますが、保冷剤がかさばる上に容量も限られ、時間とともに保冷力が低下するため、特に長期の旅行では不便を感じやすいものです。しかし、今では冷蔵庫のおかげで、キャンプでお刺身を楽しんだり、冷凍機能があれば旅先で出会ったアイスクリームをお土産にしたりと、旅の選択肢が格段に広がり、車中泊には欠かせない存在となっています。

しかし、キャンピングカー用冷蔵庫は、種類や容量、設置方法を誤ってしまうと、「思っていたよりも使いづらい」「後悔した」といった状況につながることもあります。このため、本記事では、キャンピングカー用冷蔵庫の選び方から、効率的な運用方法、そして万が一の故障時の対応まで、後悔しないために知っておきたい情報を包括的にご紹介します。この記事を通じて、あなたの旅のスタイルにぴったりの一台を見つけ、より充実したキャンピングカーライフを送るための一助となれば幸いです。

キャンピングカーに冷蔵庫は本当に必要?

キャンピングカーでの旅において冷蔵庫は、夏の快適な旅には欠かせないアイテムと認識されています。特に近年、猛暑が続く中、冷たい飲み物をいつでも楽しめたり、食材の鮮度を保ったりするためには、冷蔵庫が必須となる場合が多いでしょう。都市部ではスーパーやコンビニが遅くまで開いていることが多いものの、山間部などでは移動中に食料の購入が難しいケースが頻繁に発生します。

このような状況でクーラーボックスを使用する方法もありますが、保冷剤がかさばり、容量が限られる上に、時間の経過とともに保冷力が低下するため、特に長期の旅行では不便を感じやすいことが指摘されています。実際、2泊以上の車中泊旅やキャンプでは、保冷剤や氷の準備が面倒になり、冷蔵庫の必要性を感じるキャンピングカーユーザーは少なくありません。また、旅先で要冷蔵の魅力的な食材を見つけても、冷蔵庫がなければ購入を諦めざるを得ないといった悔しい思いをすることも度々あります。冷蔵庫があることで、旅の選択肢が格段に広がり、多くのキャンピングカーユーザーにとって「あってよかった装備」の一つ、あるいは必須アイテムとなっています。特に釣りを目的とするキャンピングカーにおいては、冷蔵庫は欠かせない装備とされています。冷蔵庫は普段の買い物にも役立ち、電子レンジやケトルと組み合わせれば、旅先での自炊の選択肢が広がる点もメリットです。

冷蔵庫が不要と考える理由

一方で、「キャンピングカーに冷蔵庫はいらない」と考えるユーザーもいます。その主な理由としては、限られた車内スペースとの兼ね合いが挙げられます。冷蔵庫は車内の家具や収納スペースを圧迫しやすく、小型の車載モデルでは収納できるものが限定されるという声があります。また、冷蔵庫を冷やし続けるための電力確保が難しい環境では、その電源管理が面倒だと感じる人もいます。さらに、冷蔵庫の保冷効果は外気温や庫内外の温度差に影響されやすく、容量が小さいモデルでは飲み物や食材を十分に保管できないという意見もあります。日帰りや1泊程度の短期旅行であれば、電源確保の手間がないクーラーボックスで十分に対応できるため、冷蔵庫が不要だと判断されるケースもあります。また、すでに冷凍機能が充実した大型のポータブル冷蔵冷凍庫を持っている場合、備え付けの冷蔵庫はあまり使用しなくなるというユーザーの声もあり、その場合は「いらなかった」と感じる可能性もあります。車中泊のスタイルによっては、そもそも冷蔵庫をほとんど使わないという意見もあります。

結局のところ、キャンピングカーに冷蔵庫が必要かどうかは、旅行の頻度や期間、季節、旅のスタイル、そして車内の電装関係との相性に大きく左右されます。一般的に大型のキャンピングカーには冷蔵庫が標準装備されていることが多いですが、軽キャンピングカーや車中泊仕様の車両ではオプションとなる場合が多いため、自身の用途をよく考慮し、賢く選択することが重要となります。

主要な冷却方式:圧縮式(コンプレッサー式)

キャンピングカー用冷蔵庫の冷却方式の中で、圧縮式(コンプレッサー式)は、家庭用冷蔵庫やエアコンと同じ原理で動作します。この方式では、冷媒ガスをコンプレッサーで圧縮・液化・気化させることで熱を吸収し、庫内を効率的に冷却します。その仕組みから、非常に高い冷却力と保冷力を持ち、外気温の影響を受けにくいという大きな利点があります。

冷却性能

圧縮式冷蔵庫の冷却性能は「抜群」と評価されるほど優れており、多くのモデルが氷点下での冷却に対応し、中には-16℃から-18℃までの冷凍能力を持つものも存在します。これにより、氷や冷凍食品の保管が可能となり、夏場や長期の旅行に最適です。また、出発前に家庭用AC電源で予冷しておくことで、さらに効率よく使用できます。

注意点と信頼性の高いメーカー

一方で、圧縮式冷蔵庫にはいくつかの注意点もあります。電力消費はやや高めであるため、サブバッテリーの容量や電源環境を事前に確認し、確保することが必須となります。DC12V/24V対応のモデルが一般的で、車のバッテリーやサブバッテリーから直接給電できるため、走行中でも使用しやすいというメリットがあります。また、コンプレッサーの作動による音や振動が発生する場合があります。稼働音はビジネスホテルに設置されているコンプレッサー式冷蔵庫と同程度とされることが多いですが、マキタ製の一部モデルのように「音が全く気にならない」と評価される製品もあります。冷却方式の特性上、庫内に霜が付着しやすい傾向があります。

信頼性の高いメーカーとしては、純国産でヨットやキャンピングカーで定評がある澤藤電機(エンゲルブランド)が挙げられます。エンゲル製は-16℃から-18℃まで冷やすことが可能とされており、スペースとサブバッテリーに余裕があれば「一択」とまで言われることもあります。最近のキャンピングカーでは、プロパンガスボンベを積まない傾向にあるため、DC12Vの1ウェイ(圧縮式)タイプが主流となっています。

このように、圧縮式冷蔵庫は強力な冷却性能と安定した保冷力で、夏のキャンピングカーでの旅を快適にするための非常に頼りになる選択肢と言えるでしょう。

主要な冷却方式:気化式(吸熱式)

キャンピングカー用冷蔵庫の冷却方式には様々な種類がありますが、その中でも吸熱式(アンモニア吸収方式)は、特定の状況下で高い利便性を提供します。この方式は、アンモニア水溶液を加熱・冷却のプロセスを通じて液体から気体へと相変化させ、その際に発生する気化熱を利用して庫内に冷気を作り出す仕組みです。

吸熱式(アンモニア吸収方式)の特性

吸熱式冷蔵庫の大きな特徴は、その多様な電源対応にあります。一般的に、AC100V、DC12V、そしてLPガスの3種類の電源に対応していることから「3ウェイ」とも呼ばれます。

静音性

コンプレッサーを使用しないため、動作音がほとんどなく静かです。ガスの燃焼音も家庭用ガスコンロのとろ火程度とされます。

低消費電力

一般的に消費電力が少ない傾向にあります。

ガスでの長時間稼働

LPガスモードが最も冷却能力が高く、5kgや8kgのプロパンガスボンベを使用すれば、非常に長時間稼働させることが可能です。これにより、電力供給が難しい場所でも利用できるため、アウトドアでの使用に適しています。

デメリットと注意点

しかし、吸熱式冷蔵庫にはいくつかのデメリットや注意点も存在します。冷却能力は全体的にやや控えめであり、特にDC12Vでの使用時は「保冷程度」の機能しかなく、「あまり冷えない」と感じられるのが一般的です。夏場の外気温が高い状況では顕著に冷えが悪くなることがあります。また、周囲の湿度や気温に大きく左右される特性があります。

運用上の制約

性能を最大限に発揮させるためには、冷蔵庫本体を水平に設置する必要があり、直射日光を避けた場所選びが重要です。冷却が始まるまでに時間がかかるため、出発の半日~1日前など、事前に家庭用AC電源に繋いで十分に予冷しておくことが推奨されます。さらに、公式には車中でのLPガス使用は禁止されています。バッテリー内蔵モデルはほとんど存在せず、主に外部電源やガスを使用します。

主要メーカーと「気化式」との違い

吸熱式冷蔵庫は、主にアメリカやヨーロッパ製のキャンピングカーに多く見られる冷却方式です。ドメティック(Dometic)社(旧エレクトロラックス社)がこの冷却方法に特化した冷蔵庫を製造・販売しており、代表的なメーカーとして挙げられます。

近年、キャンピングカーではプロパンガスボンベを積まない傾向にあるため、冷蔵庫の主流はDC12Vのコンプレッサー式に移りつつあります。しかし、静音性やガスでの長時間稼働といった吸熱式ならではのメリットは、特定の旅のスタイルにおいて依然として魅力的な選択肢となり得ます。

水の気化熱を利用する「気化式」とは、アンモニアを利用する吸熱式とは別に、一部で言及されることがあります。このタイプは、消費電力が少なくエコで静音性が高いという特徴がありますが、冷却効果が弱く、周囲の湿度や気温に大きく左右されます。また、部屋全体の冷却には不向きで、特定の場所に涼風を送るのが得意とされ、水の補充やタンクの手入れが必要となります。これは、冷蔵庫というよりは「冷風機」に近い特性と言えるでしょう。

主要な冷却方式:電子式(ペルチェ式)

キャンピングカー用冷蔵庫の冷却方式の一つである電子式(ペルチェ式)は、ペルチェ効果という物理現象を応用して庫内を冷却します。この原理は、二種類の半導体に直流電流を流すことで、一方の接合部で熱を吸収し、もう一方の接合部で熱を放出するというものです。冷媒やコンプレッサーを一切使用しないため、構造が非常にシンプルで故障しにくいという特性を持っています。

電子式(ペルチェ式)のメリット

電子式冷蔵庫の大きな利点は、その優れた静音性と振動の少なさにあります。モーターのような可動部を持たないため、稼働音がほとんどなく非常に静かで、キャンピングカーという閉鎖空間での就寝時でも音が気になることがありません。また、小型で軽量であるため、持ち運びや設置が容易であり、限られたスペースのキャンピングカーにも適しています。さらに、他の冷却方式に比べて比較的安価である点も魅力です。デザイン性に富んだおしゃれな製品が多いのも特徴です。

デメリットと注意点

一方で、電子式冷蔵庫にはいくつかの重要なデメリットも存在します。最も考慮すべき点は、その冷却性能の限界です。冷却効率や出力が低めであり、強い冷却力や大容量の冷却には不向きとされています。筆者の体験談によると、あくまで「冷たいものを冷たいままに保冷ができる」というイメージであり、常温のものを冷たくするのには向いておらず、魚介類などの生ものの持ち運びには適していません。

また、周囲の湿度や気温に大きく左右される傾向があり、真夏や多湿といった高温環境下では冷却効果が著しく弱まることがあります。これらの特性から、電子式冷蔵庫を効果的に使用するには運用上の工夫が不可欠です。冷却能力が控えめであるため、庫内の食材の配置に気を配り、空気の流れを遮らないようにしたり、扉の開閉回数や時間を極力減らしたりする工夫が、保冷効率を維持するために重要です。あらかじめ家庭で十分に冷やしたものを保冷する用途が、この方式には最も適していると言えるでしょう。

バッテリー内蔵モデルに関しては、一部には存在するものの、主流はシガーソケットやAC電源といった外部電源からの給電による運用であり、バッテリー内蔵型は少数派です。電子式冷蔵庫の一般的な寿命は、約5年から7年程度が目安とされています。

主な用途

電子式冷蔵庫は、主に飲み物やおやつを中心に利用するライトユーザーにおすすめされます。強い冷却力を必要としない小型冷蔵庫や電子機器の冷却、ウェアラブル機器などでの採用が多く見られます。静音性と手軽さから、冷蔵庫を置くスペースが限られるキャンピングカーでの保冷用途に適した選択肢となり得ます。

電子式冷蔵庫は、その利便性と手軽さを持つ一方で、冷却性能には明確な限界があるため、キャンピングカーの旅の目的やスタイル、電力供給能力などを総合的に考慮して選択することが重要です。

キャンピングカー冷蔵庫選びの5つのポイント

夏のキャンピングカーでの旅を快適にする上で、冷蔵庫は欠かせないアイテムです。しかし、種類や容量、設置方法を誤ると「思っていたより使いづらい…」と後悔につながることもあります。キャンピングカー用冷蔵庫を選ぶ際には、「容量と種類の違いを理解すること」が非常に重要であり、冷え方や電力効率に関わる冷却方式、そして冷蔵と保冷のバランスを考慮することがポイントです。実際に使う状況を想定しながら、以下の5つのポイントを押さえて賢く検討しましょう。

1. 冷却方式の特性を理解し、用途に合わせる

キャンピングカーの冷蔵庫には、「圧縮式(コンプレッサー式)」、「気化式(吸熱式)」、「電子式(ペルチェ式)」の3種類があり、それぞれ冷却方法や効率が大きく異なります。

圧縮式(コンプレッサー式)

家庭用冷蔵庫と同じ仕組みで、冷却力・保冷力が非常に高く、外気温の影響を受けにくいのが特徴です。氷や冷凍食品の保管も可能で、夏場や長期旅行に最適とされます。電力消費はやや高めですが、その分高い冷却性能を期待できます。

気化式(吸熱式)

コンプレッサーを使用しないため動作音がほとんどなく静かで、消費電力も少ない傾向にあります。特にLPガスモードは最も冷却能力が高いとされますが、DC12Vでの使用時は「保冷程度」と冷却能力は限定的で、外気温に大きく左右されやすいというデメリットがあります。また、車中でのLPガス使用は公式には禁止されています。

電子式(ペルチェ式)

構造がシンプルで故障しにくく、冷媒やコンプレッサーを使わないため静音性が非常に高く、振動もほぼありません。小型・軽量で持ち運びや設置が容易ですが、冷却効率や出力は低めであり、常温のものを冷たくするのには向かず、「冷たいものを冷たいままに保冷ができる」用途が適しています。

自身の旅のスタイルや何をどれくらい冷やしたいかによって、最適な冷却方式を選びましょう。

2. 容量と設置スペースを慎重に検討する

キャンピングカーは限られたスペースのため、冷蔵庫の「容量と種類の違いを理解すること」が非常に重要です。

容量の目安

40Lは飲料や小物中心の利用に適しており、電力消費も少なめです。90L以上の大型モデルは冷凍庫付きが多く、食材を多く保管したい場合に便利ですが、その分「スペースを取る&電力を食う」ため注意が必要です。目安としては、1人あたり5Lで計算し、3〜4人家族であれば20L〜30L程度の容量が安心とされます。

設置場所

「車内のどこに冷蔵庫を設置するか」を事前に確認し、扉の開閉方向や外装のサイズだけでなく、「放熱スペース」も考慮に入れる必要があります。ぴったり詰めすぎると冷えが悪くなったり、故障の原因となることがあります。

3. 電源と電力消費を把握する

冷蔵庫の選択において「どこから電力を賄うか」は非常に重要なポイントです。キャンピングカーの冷蔵庫は主にDC12V/24V、AC100V、LPガスのいずれかで動作します。

DC12V/24V対応

走行中も冷蔵庫を使えるため、車のバッテリーやサブバッテリーから直接給電できるDC12V/24V対応モデルが便利です。

サブバッテリー

エンジン停止中でも冷蔵庫を使うために、エンジン用とは別の「サブバッテリー」が搭載されており、DC電源対応の冷蔵庫であればここから安全に給電できます。特に圧縮式冷蔵庫は電力消費がやや高めなので、サブバッテリーの容量や電源環境を事前に確認し、確保することが必須となります。

ポータブル電源・ソーラーパネル

長時間の運用や電源のない場所での使用には、大容量のポータブル電源(1,000Wh以上が安心)を併用したり、ソーラーパネルで充電を補助したりする工夫が有効です。

AC100V

キャンプ場やRVパークなど外部電源が使える場所では、AC100Vで冷蔵庫を稼働させることができ、安定した冷却が可能です。

電力管理は快適なキャンピングカーライフに欠かせないため、使用する冷蔵庫の消費電力と自身の電源環境をしっかり把握しましょう。

4. 保冷温度と「冷え方」の期待値を明確にする

冷蔵庫を選ぶ際には「何を冷やすか」によって「保冷温度」の要件が変わります。

強力な冷却

氷や冷凍食品、生鮮食品をしっかり冷やしたい場合は、家庭用冷蔵庫と同等の冷却力を持つ圧縮式(コンプレッサー式)が断然おすすめです。一部モデルでは-18℃までの冷凍能力を持つものもあります。

保冷目的

飲み物やおやつを中心に、あくまで「冷たいものを冷たいままに保冷」したいのであれば、電子式や気化式も選択肢に入ります。ただし、これらの方式は常温のものを冷たくするのには向いていないため、あらかじめ家で冷やしたものを入れるなどの運用が必要です。

「冷蔵庫で冷えた飲み物を保冷することはできるが、常温のものを冷たくするのは苦手」という電子式の特性のように、方式ごとの「冷え方」の限界を理解しておくことが、後悔しないための鍵となります。

5. 効率的な運用と便利な機能を考慮に入れる

冷蔵庫は選び方だけでなく、その運用方法も快適性に大きく影響します。

予冷の徹底

冷蔵庫はスイッチを入れてすぐに冷えるわけではないため、出発の前日から電源をONにして庫内を冷やしておくことが推奨されます。この際、家庭用AC電源を利用すると効率的です。

食材の工夫

冷やすものもあらかじめ家で冷やしておくことで、庫内の温度上昇を防ぎ、効率的な冷却が可能です。また、保冷剤や凍らせたペットボトルを入れることも、消費電力を抑えつつ冷気を保つ有効な手段です。

開閉と配置

冷蔵庫の開閉は「回数」と「時間」が勝負であり、無駄な電力消費を抑えるために重要です。庫内の空気の流れを妨げないよう、食材を詰め込みすぎない工夫も効果的です。

設置場所と排熱

冷蔵庫は熱を逃がす構造になっているため、周囲に十分な「放熱スペース」を確保し、できるだけ日陰や涼しい場所に配置するようにしましょう。

その他の機能

高断熱性やLED表示で庫内温度が確認できる「温度管理機能」付きのモデルを選ぶことで、無駄な電力消費を防ぎ、保冷力も安定します。バッテリー内蔵モデルは、圧縮式で多くのメーカーから販売されていますが、電子式は一部、気化式はほとんど存在しないため、ポータビリティを重視する場合はこの点も確認が必要です。

これらのポイントを総合的に考慮し、自身のキャンピングカーのスタイルや使用目的に最適な冷蔵庫を選ぶことで、旅がより一層快適で充実したものになるでしょう。

内蔵型(ビルトイン)おすすめの冷蔵庫

キャンピングカー内に設置して使うタイプの冷蔵庫です。キッチンユニットなどに組み込んで使うビルトインタイプが多いです。家庭用冷蔵庫と同じ前開き(横開き)構造で、調理や食材の出し入れがしやすいのが特徴です。主にコンプレッサー式や吸収式が採用されており、長期旅行や常設利用に向いています。

エンゲル SB47F

  • 容量: 40L
  • 対応電源: DC12V/24V
  • 設定温度: 冷凍-18℃/冷蔵5℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: 据え置きのビルトインモデルで、バッテリーへの負担が少ない省エネ設計と優れた耐震構造が特徴です。
  • 公式製品ページ

エンゲル SB70F

  • 容量: 57L
  • 対応電源: DC12V/24V
  • 設定温度: 冷凍-18℃/冷蔵5℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: DC12V/24V両対応で、大容量のため遠出の際にも活躍します。
  • 公式製品ページ

エンゲル SD90F

  • 容量: 76L
  • 対応電源: DC12V/24V
  • 設定温度: 冷凍-18℃/冷蔵5℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: 大容量76Lで、車載やボートにも対応。耐振性が高く長距離旅行や長期保存にも適しています。
  • 公式製品ページ

ポータブル型おすすめの冷蔵庫

車内だけでなく車外にも持ち運んで使えるタイプです。上開き(トップオープン)構造のため冷気が逃げにくく、省エネ性に優れています。アウトドアやキャンプなど、幅広いシーンで活躍します。

Makita 充電式保冷温庫 CW001G

  • 容量: 20L
  • 電源: AC100V | DC 12V / 24V | バッテリー(別売り)
  • 設定温度: 保冷-18℃〜保温60℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: マキタのバッテリーでコードレス使用が可能で、冷蔵だけでなく保温機能も備えています。キャスター付きで持ち運びも楽です。AC100V、シガーソケットでも使用可能。
  • 公式製品ページ

FADE ポータブル冷蔵庫 車載冷蔵庫 20L

  • 容量: 20L
  • 電源: AC100V | DC 12V / 24V
  • 保冷温度: -22℃~20℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: -22℃まで急速冷凍が可能で、高い断熱性による保冷力とECOモードによる省エネ運転が魅力。静音設計で、省エネ・節電を意識する方におすすめです。
  • Amazon販売ページ

小型/ポータブル冷凍冷蔵庫「Pacificool(パシフィクール)」

  • 容量: 21L
  • 電源: AC100V | DC 12V / 24V (ACアダプタ別売り)
  • 温度: -10℃~18℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: 特徴: エンゲルブランドと同じく澤藤電機が製造する製品です。コンパクトながら高い冷却性能を誇り、家庭用電源(別売アダプタが必要)と車載用DC電源の両方に対応。Bluetoothによるスマホ操作機能(プレミアムモデル)など便利な機能も備えています。
  • 公式製品ページ
    公式ショップ

HiKOKI UL18DBA コードレス 冷温庫 25L

  • 容量: 25L
  • 電源: AC100V | DC 12V / 24V | 蓄電池
  • 保冷温度: -18℃~60℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: 仕切り板で庫内を2部屋に分け、異なる温度設定が可能(冷たいものと温かいものを同時に保存できる)。12V出力やUSB-C端子も搭載。
  • 公式製品ページ

EENOUR 車載冷蔵庫 D35

  • 容量: 35L
  • 電源: AC100V | DC 12V / 24V | バッテリー(別売り)
  • 温度: -20℃〜10℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: 高性能コンプレッサーにより-20℃まで急速冷却可能。バッテリー(別売)でecoモードなら最大16時間稼働し、蓋の取り外しや水抜き口など便利な機能も充実しています。
  • 公式製品ページ

エンゲル ENGEL MR040F

  • 容量: 38L
  • 電源: AC100V | DC 12V / 24V
  • 温度: -18℃~5℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: 車両への搭載を前提とした設計で、優れた耐震構造と高い冷却性能が特徴。走行中でも安定した冷却が可能です。
  • 公式製品ページ
    公式ショップ

エンゲル ENGEL MT60F

  • 容量: 60L
  • 電源: AC100V | DC 12V / 24V
  • 温度: -18℃~5℃
  • 冷却方式: コンプレッサー式
  • 特徴: 大容量で、長期の旅行や大人数での使用に最適。冷凍・冷蔵が可能で、DC12V/24V対応のため、トラックなどでも利用できます。
  • 公式製品ページ
    公式ショップ

これらのポイントを総合的に考慮し、自身のキャンピングカーのスタイルや使用目的に最適な冷蔵庫を選ぶことで、旅がより一層快適で充実したものになるでしょう。

少人数・ライトユーザー向け(〜40L程度)

キャンピングカーでの旅において、少人数での利用や、飲み物・軽食を中心としたライトな用途には、〜40L程度の冷蔵庫が適しています。この容量帯の冷蔵庫は、コンパクトで車内の限られたスペースに設置しやすく、電力消費も比較的少ないという特徴があります。

具体的には、1人での使用であれば10L程度の容量で十分であり、飲み物やちょっとした食材をしっかり収納できます。3〜4人程度の家族で使う場合でも、20Lあれば安心して利用できるとされています。これらの小型・軽量モデルは持ち運びや設置が容易なため、キャンピングカーに置きっぱなしにするだけでなく、普段は家庭内でセカンド冷蔵庫として活用するなど、多様な使い方が可能です。

冷却方式としては、飲み物やおやつなどの「あらかじめ冷やしたものを冷たいまま保冷する」用途がメインであれば、電子式(ペルチェ式)や気化式もおすすめです。これらの方式は、構造がシンプルで故障しにくく、静音性が高く、電力消費も少ないというメリットがあります。ただし、電子式や気化式は冷却効率がやや低めであり、真夏や多湿時には冷却効果が弱まることがあるため、強い冷却や常温のものを急速に冷やすことには不向きである点に注意が必要です。

圧縮式の選択肢

一方で、少人数・ライトユーザーであっても、夏場の長期旅行で氷や冷凍食品をしっかり保存したい、または常温のものを効率的に冷やしたい場合は、冷却力・保冷力が非常に高い圧縮式(コンプレッサー式)を選ぶと後悔を減らせます。圧縮式は家庭用冷蔵庫と同じ仕組みで、外気温の影響を受けにくく安定して低温を保てるため、食材の鮮度保持にも優れています。この容量帯の圧縮式モデルでも、省エネ設計がされたものや、エコモードを備えたものも多く販売されています。

この容量帯の冷蔵庫は、旅行の頻度や季節、どのような食材・飲み物を持ち運びたいかに合わせて選ぶことが重要です。

ファミリー・長期旅行向け(50L〜90L以上)

キャンピングカーでの家族旅行や長期にわたる旅路において、豊富な食材や飲み物、さらには冷凍食品などを効率的に保管するためには、50Lから90L以上の大容量冷蔵庫が不可欠となります。この容量帯の冷蔵庫は、少人数・ライトユーザー向けの小型モデルとは異なり、本格的な食材管理を可能にし、旅先での食事の選択肢を大きく広げます。特に、90Lクラスになると冷凍庫が一体型となっているモデルも多く、氷の常備や冷凍食品の保存に大変便利です。

冷却方式の選択:圧縮式(コンプレッサー式)が最適

この容量帯で、かつ長期旅行や家族での使用を想定する場合、冷却力・保冷力が非常に高い「圧縮式(コンプレッサー式)」が最も適しています。家庭用冷蔵庫と同じ仕組みを採用しているため、外気温の影響を受けにくく安定して低温を保てる点が大きな強みです。これにより、真夏日でも飲み物や食材をしっかりと冷やし、鮮度を保つことが可能です。多くのモデルで冷凍機能を備えており、氷や冷凍食品の保管にも対応できるため、夏場や長期旅行には特に推奨されます。

一方で、電子式(ペルチェ式)や気化式(吸熱式)は、その冷却効率や出力の限界から、大容量や強力な冷却、冷凍保存には不向きとされています。これらの方式は電力消費が少ないというメリットはあるものの、外気温に影響を受けやすく、真夏や多湿時には期待通りの冷却効果が得られない場合があります。

電源と電力管理の重要性

大容量の冷蔵庫は、その高い冷却性能と引き換えに電力消費もやや高めとなるため、安定した電源の確保と効率的な電力管理が非常に重要です。

キャンピングカーの冷蔵庫は、DC12V/24V電源に対応しているものが多く、車両のシガーソケットやサブバッテリーから直接給電できます。特に、長時間の車中泊や連泊を計画している場合は、サブバッテリーの容量強化が必須とされ、状況によってはサブバッテリーの「ツイン化」(2台設置)が推奨されます。

大容量冷蔵庫の具体例と検討事項

キャンピングカーの内蔵型冷蔵庫では、エンゲル(澤藤電機)製が特に知られています。澤藤電機は純国産メーカーとしてヨットやキャンピングカーで定評があり、その高い冷却性能と信頼性から、サブバッテリーが潤沢にある環境であれば「エンゲルの冷蔵庫一択」とまで言われています。例えば、エンゲル SB70F (57L)のようなモデルは、DC12V/24Vに対応し、大容量で遠出の際に活躍すると評価されています。

また、市販の家庭用冷蔵庫をキャンピングカーに導入する選択肢も存在します。家庭用冷蔵庫は一般的に安価で種類が豊富ですが、AC100Vで動作するため、サブバッテリーのDC12Vを変換するためのインバーターが必須となります。この変換には電力ロスが生じ、走行中の振動による故障リスクも指摘されていますが、実際に家庭用2ドア冷蔵庫を24時間運用しているユーザーもおり、その消費電力はインバーター込みでも許容範囲内であるという報告もあります。ただし、設置スペースや耐久性、そして万が一の故障時の保証などを考慮し、慎重に検討することが重要です。

大容量の冷蔵庫はキャンピングカーの旅を格段に快適にする「あってよかった装備」の一つです。ご自身の旅のスタイルや人数、食材の持ち運びニーズに合わせて、最適な一台を選び、充実したキャンピングカーライフを送りましょう。

エンゲル製冷蔵庫の魅力と特徴

キャンピングカーでの快適な旅に欠かせない冷蔵庫の中でも、エンゲル(澤藤電機)製冷蔵庫は、その高い信頼性と優れた冷却性能から、多くのキャンピングカーユーザーに高く評価されています。特に近年の夏の猛暑を考慮すると、食材の鮮度を保ち、冷たい飲み物を楽しめる冷蔵庫は必須アイテムと言えるでしょう。

エンゲル(澤藤電機)の信頼性

エンゲル冷蔵庫は、澤藤電機(さわふじでんき)によって製造されており、その純国産の品質は、ヨットやキャンピングカーの分野で長年の定評を築いています。振動が多い車載環境での使用という特殊な条件下でも高い信頼性を提供するため、故障時のサポート体制がしっかりしているメーカーを選ぶことが推奨されており、エンゲルはその点でも選ばれやすい存在です。十分なサブバッテリー容量があれば、「エンゲルの冷蔵庫一択」とまで言われるほど、その性能と信頼性は突出しています。

エンゲル冷蔵庫カタログ(PDF)

強力な冷却性能とコンプレッサー式冷却

エンゲル冷蔵庫の最大の魅力は、その強力な冷却性能にあります。主に1ウェイ(DC12V)コンプレッサー式を採用しており、これは家庭用冷蔵庫と全く同じ冷却原理です。そのため、冷却能力は「抜群」と評され、「圧倒的に早く冷える」のが特徴です。一部のモデルでは、庫内温度を-16℃から-18℃まで下げることが可能であり、冷蔵機能だけでなく冷凍庫としても十分に活用できます。旅行の出発前に、家庭用AC電源に接続して冷蔵庫を事前に冷やしておくことで、旅先での効率がさらに向上します。

効率的な電力運用

エンゲル冷蔵庫の消費電力は比較的低く、約40Wh、またはDC12Vで30~40W程度とされています。しかし、高い冷却能力を維持するためには、サブバッテリーの強化が必須となります。キャンピングカーに最初から搭載されているエンゲル冷蔵庫は、通常、インバーターを介さずにサブバッテリーから直接電力が供給されるため、電力ロスが少なく効率的です。これにより、走行中も安定して冷蔵庫を稼働させることができます。

静音性と形状の工夫

エンゲル冷蔵庫の稼働音は、ビジネスホテルに設置されているコンプレッサー式冷蔵庫と同程度とされています。また、エンゲルにはクーラーボックス型(上開き)のモデルが多く、冷気が下に溜まる性質を利用しているため、ドア型に比べて冷気の漏れが少なく、消費電力を抑える効果があります。この形状は、ポータブル電源と組み合わせて使用する際にも非常に効率的です。

キャンピングカーでの普及と活用シーン

近年、プロパンガスボンベを搭載しないキャンピングカーが増えている傾向にあり、それに伴いDC12Vの1ウェイタイプであるエンゲル冷蔵庫が選択される機会が増えています。エンゲル冷蔵庫は、冷たい飲み物や食材を保管する上で非常に便利であり、多くのキャンピングカーユーザーにとって「あってよかった装備」の一つとされています。特に、釣りを目的とするキャンピングカーにおいては、「必須の装備」とまで言われています。

エンゲルの製品には、DC12V/24Vに対応し大容量で遠出に活躍するエンゲル SB70F(57L)や、備え付けのビルトインモデルで優れた耐震構造を持つエンゲル SB47F(40L)など、様々なモデルがあります。

このように、エンゲル(澤藤電機)製冷蔵庫は、その卓越した冷却性能、信頼性、そして効率的な運用能力により、キャンピングカーの旅を格段に快適にする重要な装備であると言えるでしょう。

キャンピングカーの冷蔵庫選び|使い方と運用方法

  • キャンピングカー冷蔵庫の効率的な使い方
  • 電源とバッテリーの効率的な運用
  • キャンピングカー用冷蔵庫の故障と寿命
  • 家庭用冷蔵庫をキャンピングカーで使うのはどうか?

キャンピングカー冷蔵庫の効率的な使い方

キャンピングカーでの快適な旅において、冷蔵庫は冷たい飲み物や食材の鮮度を保つ上で欠かせない装備の一つです。特に近年の猛暑を考慮するとその重要性は増しています。しかし、効率的に運用し、電力を無駄なく使うためには、冷蔵庫の特性を理解し、適切な使い方と節電術を実践することが重要です。

冷却効率を高める準備と使い方

冷蔵庫の効率を最大化するためには、旅の出発前から適切な準備を行うことが重要です。

事前の予冷を徹底する

旅当日の朝にスイッチを入れても、すぐに庫内は冷えません。可能であれば、出発の1日〜半日前には冷蔵庫の電源を入れ、十分に庫内を冷やしておくことが推奨されます。この際、自宅のACコンセントから給電することで、キャンピングカーのバッテリーを消費せずに予冷できます。

食材の事前冷却と詰め方

常温の食材をたくさん冷蔵庫に入れると、庫内温度がなかなか下がらず、余分な電力を消費します。家から持っていく食材は直前まで家庭用冷蔵庫で冷やしておくのが効果的です。また、庫内に食材をぎゅうぎゅうに詰め込みすぎると冷気の循環が悪くなり、効率が落ちてしまいます。空気の流れを確保し、飲料などは一箇所にまとめて整理すると良いでしょう。

開閉回数を最小限に抑える

冷蔵庫の扉を開閉するたびに庫内の冷気が逃げ出し、再び冷やすために余計な電力が使われます。開ける回数を減らし、開けている時間を短くすることを意識しましょう。よく使う飲み物や調味料はひとまとめにして、スムーズに取り出せるように工夫すると効果的です。

節電のための設置と工夫

旅の途中でも、冷蔵庫の設置場所や追加の工夫によって電力消費を抑えることが可能です。

適切な設置場所を選ぶ

冷蔵庫は冷却時に熱を放出するため、周囲に十分な放熱スペースを確保することが重要です。ぴったり詰めすぎると冷えが悪くなったり、故障の原因にもなります。また、車内でもできるだけ日陰側や涼しい場所に配置することで、外気温の影響を受けにくくし、冷却に必要な電力を抑えることができます。吸熱式冷蔵庫の場合は、排気ダクト側にPCファンなどを設置して排熱を促進する工夫も有効です。

高断熱モデルと温度管理機能の活用

もしこれから冷蔵庫を選ぶのであれば、断熱性の高いモデルや、LED表示で庫内温度が確認できる温度管理機能付きモデルを検討しましょう。これにより、過冷却による無駄な電力消費を防ぎ、保冷力を安定させることができます。

凍らせた食材や飲み物を活用する

凍らせたペットボトルや保冷剤を庫内に入れることで、蓄冷剤の役割を果たし、庫内温度の上昇を抑えて冷却効果を高めることができます。ペットボトルに入れた飲み物であれば、溶けても飲料水として利用できるため無駄がありません。

冷気漏れを防ぐ工夫

市販の冷蔵庫カーテンを庫内に装着することで、扉の開け閉めによる冷気漏れを防ぎ、保冷効果を維持することができます。また、クーラーボックス型(上開き)の冷蔵庫は、冷気が下へ溜まる性質を利用しているため、ドア型(横開き)に比べて冷気の漏れが少なく、消費電力を抑えられるというメリットがあります。

電源とバッテリーの効率的な運用

キャンピングカーの冷蔵庫は、安定した電力供給が不可欠です。電源の種類とバッテリー管理を適切に行うことが、快適な旅に繋がります。

DC12V/24V電源の活用

キャンピングカーでは、走行中も冷蔵庫を稼働させる必要があるため、車のバッテリー(サブバッテリー)から直接給電できるDC12V/24V対応の冷蔵庫が必須となります。インバーターを介してAC100Vに変換するよりも、DC12Vで直接使う方が電力ロスが少なく効率的です。

サブバッテリーの強化

特にコンプレッサー式冷蔵庫のように高い冷却能力を持つタイプを運用する場合、サブバッテリーの容量強化は必須です。長時間の使用を想定するなら、1,000Wh以上の大容量モデルや、サブバッテリーを2台以上設置する「ツイン化」も推奨されます。鉛バッテリーは過放電に弱く寿命が短くなる可能性があるため、残量管理が重要です。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、高価ではあるものの、大電流に強く寿命が長いという利点があります。

多様な充電方法の併用

冷蔵庫の電力消費を賄うため、複数の充電方法を組み合わせることが賢明です。

走行充電

移動中に車のオルタネーターからサブバッテリーを充電します。

ソーラーパネル

屋根などに設置し、太陽光でサブバッテリーを充電します。

外部充電

RVパークやキャンプ場などの電源サイトでAC100Vを利用すれば、サブバッテリーを消費せず、長時間の滞在でも安心して家電を使用できます。

ポータブル電源

備え付けのサブバッテリーシステムとは別に、大容量のポータブル電源(1,000Wh以上が推奨)を併用することで、エンジン停止中や電源のない場所でも冷蔵庫を長時間使用できるようになります。

インバーターの適切な使用

家庭用冷蔵庫などのAC100V家電を使用する際にはインバーターが必要ですが、DCからACへの変換には電力ロスが生じます。インバーター自体も電源をONにしているだけで電力を消費する場合があるため、必要な時だけスイッチを入れるのが効率的です。また、家庭用冷蔵庫をキャンピングカーで使用する場合、振動に対する耐久性が劣り、故障のリスクが高まる可能性も考慮する必要があります。

冷蔵庫の寿命と故障時の判断

キャンピングカーの冷蔵庫も家電製品と同様に寿命があります。

寿命の目安

一般的に、圧縮方式の冷蔵庫は約8〜10年、電子式や気化式の冷蔵庫は5〜7年程度が寿命の目安とされています。

故障のサインと交換の検討

冷えが不安定になる、庫内の温度が保てなくなる、作動音が異常に大きくなる、電源が入らない、保冷時間が短くなるといった症状が見られた場合は、故障のサインかもしれません。故障からの修理費用が高額になる場合は、早めの交換を検討することが賢明です。

これらのポイントを押さえることで、キャンピングカーでの冷蔵庫運用をより効率的かつ節電しながら行い、快適な旅を享受することができるでしょう。自身の旅のスタイルや使用目的に合わせて、最適な冷蔵庫を選び、賢く運用することが後悔を防ぐ鍵となります。

キャンピングカー用冷蔵庫の故障と寿命

キャンピングカー用の冷蔵庫は、旅の快適さを大きく左右する重要な装備ですが、使用に伴い故障や性能の劣化が生じることがあります。冷蔵庫の種類によって寿命や故障の傾向が異なるため、適切な知識を持つことが快適な旅を続ける上で不可欠ですM。

故障の兆候

キャンピングカー用冷蔵庫でよく見られるトラブルとしては、冷えが弱くなる、作動音が異常に大きくなる、そして電源が入らなくなるといった症状が挙げられます。これらの兆候は、冷蔵庫の冷却能力の低下や、部品の劣化を示している可能性があります。特に、冷蔵庫をつけっぱなしで運用する場合には、冷却方式ごとの特徴を理解し、バッテリー残量や冷却効率の低下要因に注意を払うことが重要です。

また、冷蔵庫は車両の電力システムに依存しているため、インバーターの不具合が冷蔵庫の動作に影響を与えることもあります。インバーターが過熱すると、ファンが常に回ったり本体が異常に熱くなったりするほか、低電圧状態になると警告音が鳴ったり、家電製品が途中で停止したりすることがあります。これらは冷蔵庫の動作不良として現れる場合があり、動作が遅くなったり普段と違う音が出たりする兆候が見られることがあります。

冷蔵庫の寿命

キャンピングカーに搭載される冷蔵庫にも家電製品と同様に寿命があり、その目安は冷却方式によって異なります。

冷却方式ごとの寿命目安
  • 圧縮方式(コンプレッサー式): 約8〜10年。
  • 電子式(ペルチェ式): 約5〜7年。
  • 気化式: 約5〜7年。

走行中の振動は冷蔵庫の寿命を縮める可能性があり、特に家庭用冷蔵庫をキャンピングカーで使用する場合は、その耐久性が車載専用品に劣るため故障リスクが高まります。

修理か交換かの判断

冷蔵庫が故障した際、修理すべきか、それとも新しいものに交換すべきかを判断する鍵は、修理費用、使用年数、そして性能劣化の状態を総合的に評価することです。もし壊れてからの修理費用が高額になる場合は、早めに交換を検討する方が賢明とされています。

また、冷却性能の観点から見ると、3ウェイ冷蔵庫(ガス、AC100V、DC12V対応)は一般的に「あまり冷えない」と評価され、特にDC12Vでの使用は保冷程度に留まることが多いです。一方で、1ウェイ(DC12V)コンプレッサー式冷蔵庫は「冷えは抜群」とされており、強力な冷却力を求める場合にはこちらのタイプへの更新が快適な運用に繋がります。

ご自身の旅行スタイルや使い方に合わせて、最適な冷蔵庫を選び直すことも、長期的な快適性を確保するためには重要な要素です。

家庭用冷蔵庫をキャンピングカーで使うのはどうか?

キャンピングカーでの旅において、冷蔵庫は食材や飲み物の鮮度を保つ上で重要な役割を果たしますが、車両に搭載されている専用の冷蔵庫ではなく、家庭用冷蔵庫の導入を検討するケースもあります。家庭用冷蔵庫は一般的にAC100V電源で作動するため、キャンピングカーで使用するには電力システムに関する特別な考慮が必要です。

家庭用冷蔵庫を使用するメリット

家庭用冷蔵庫をキャンピングカーに導入する主なメリットは、その高い冷却性能にあります。多くは家庭用冷蔵庫と同じコンプレッサー式を採用しており、キャンピングカーに多く見られる3ウェイ冷蔵庫(ガス、AC100V、DC12V対応)と比較して、「冷えは抜群」と評価されるほど強力な冷却能力を持ちます。また、一般的に比較的安価で入手しやすく、選択肢が豊富であるという利点もあります。これにより、初期費用を抑えつつ、高性能な冷却能力を得られる可能性があります。

家庭用冷蔵庫を使用するデメリット

一方で、家庭用冷蔵庫をキャンピングカーで使うにはいくつかのデメリットが存在します。最大の課題は電力消費と電源システムへの要求です。家庭用冷蔵庫はAC100Vで動作するため、サブバッテリーのDC12VをAC100Vに変換するインバーターが必須となり、この変換過程で電力ロスが発生します。冷蔵庫は稼働時に大きな電流が流れるため、特に高性能な冷蔵庫を継続的に使用する場合、サブバッテリーの強化が不可欠となります。電子レンジのような高消費電力の家電と併用すると、インバーターが警告音を発したり、バッテリー電圧が急降下したりする可能性があります。大容量の家庭用冷蔵庫では、さらに大容量のインバーター(例:2kW)や発電機、外部電源が必要となることがあります。

また、走行中の振動や衝撃に対する耐久性が、車載専用品に比べて劣るため、故障のリスクが高まるという指摘もあります。一部のユーザーは、長期間の使用で問題がなかったと報告していますが、メーカーの保証対象外となるリスクも考慮すべきです。さらに、一般的な家庭用冷蔵庫は扉式(横開き)であるため、扉を開けた際に冷気が下に逃げやすく、冷気を保持しにくいという構造的なデメリットがあります。

電源システムの構築と管理

家庭用冷蔵庫をキャンピングカーで使うには、サブバッテリーのDC12VをAC100Vに変換するインバーターが必須です。インバーターは、使用する家電の合計消費電力の約2倍の容量を選ぶのが一般的です。また、冷蔵庫など多くの電力を消費する家電を動かすには、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのような、大電流に強く寿命が長いサブバッテリーの導入が有利になります。

走行充電システムやソーラーパネル、RVパークやキャンプ場での外部給電なども併用することで、電力の安定供給を図ることができます。

キャンピングカーの冷蔵庫選び|タイプと容量別選択ガイド:まとめ

記事のポイントをまとめます。

  • 冷蔵庫は夏のキャンピングカーの旅に欠かせない必須アイテム
  • クーラーボックスでは長期旅行での保冷力に限界がある
  • キャンピングカー冷蔵庫の選び方で後悔しないための情報が重要
  • 冷蔵庫の冷却方式は圧縮式、気化式、電子式の3種類がある
  • 圧縮式冷蔵庫は冷却力と保冷力が非常に高く、冷凍も可能
  • 気化式冷蔵庫は静音性が高く、LPガスでの長時間稼働が可能
  • 電子式冷蔵庫は小型軽量で静音性に優れるが、冷却力は控えめである
  • 冷蔵庫を選ぶ際は容量と設置スペースを慎重に検討する必要がある
  • サブバッテリー容量やポータブル電源などで電力確保が必須
  • 予冷や食材の事前冷却、開閉回数を減らすことが節電に繋がる
  • 冷蔵庫の周囲に放熱スペースを確保し、適切な場所に設置することが重要
  • 高断熱モデルや温度管理機能付きモデルが効率的な運用に役立つ
  • 凍らせたペットボトルや保冷剤を活用することで保冷効果を高められる
  • キャンピングカー冷蔵庫には寿命があり、故障の兆候に注意する
  • 家庭用冷蔵庫の利用には電力システム強化と振動への対策が必要

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