
キャンピングカーの中古車を150万円程度で探しているあなたは、憧れのキャンピングカーライフを手頃な予算で始めたいと考えているのではないでしょうか。新車の高価格や長期の納車待ちを考えると、中古車は非常に魅力的な選択肢です。
この価格帯でどのようなキャンピングカーが手に入るのか、どのような点に注意して選べば後悔しないのか、具体的な車種の傾向から購入時のチェックポイント、さらには維持費やDIYの可能性まで、知っておくべき情報を網羅的に解説します。あなたの理想のキャンピングカーを見つけるための第一歩を、この記事が力強くサポートします。
ポイント
- 150万円台で狙える中古キャンピングカーの車種と特徴がわかる
- 信頼できる中古キャンピングカーの探し方と具体的な場所がわかる
- 購入時のリスクとその回避策について理解できる
- 購入後の維持費やDIYの選択肢がわかる
キャンピングカーの中古車を150万円程度で探すポイント
- キャンピングカーの価格帯と150万円予算の位置づけ
- 中古キャンピングカーの主な探し方:専門業者とオンラインサイト
- オークションや個人売買の選択肢とそのリスク
- 150万円台で狙える車種タイプと特徴
- 軽キャンピングカー:手軽さとその魅力
- 中古ミニバン・ハイエースベースのカスタムキャンピングカー
- 中古キャンピングカー選びの重要チェックポイント:車両本体
- 中古キャンピングカー選びの重要チェックポイント:架装部分
キャンピングカーの価格帯と150万円予算の位置づけ
キャンピングカーの購入を検討する際、150万円という予算は、市場全体で見ると比較的安価な価格帯に位置づけられます。新車のキャンピングカーは数百万円から数千万円の範囲で販売されており、例えば軽キャンピングカーの新車が200万円~400万円、バンコンが400万円~800万円、キャブコンが600万円~1,000万円、バスコンやフルコンに至っては1,000万円を超えるのが一般的です。
一方で、中古キャンピングカーの相場は新車の6~8割程度と言われており、この価格帯でも十分に探すことが可能です。実際、中古の軽キャンピングカーであれば100万円~200万円で購入できるとされています。中古キャンピングカー市場は近年需要が高く、供給が限られているため、希望通りの車両を見つけるには忍耐力が必要な場合もあります。
また、車両本体価格を抑える方法として、約40万円で購入した中古の日産キャラバンをベースにDIYでキャンピングカーを自作するという選択肢もあります。内装のDIYにかかる費用は、ホームセンターの材料を使う場合で10万円~30万円前後が一般的とされており、全体費用を低く抑えることが可能です。ただし、DIYは法規制や技術的な難易度、時間と労力がかかる点、アフターサービスがない点などに注意が必要です。
中古キャンピングカーの主な探し方:専門業者とオンラインサイト
キャンピングカーの中古車を探す際、150万円程度の予算では、市場全体で見ると比較的安価な価格帯となるため、根気強く探すことが重要です。主に、キャンピングカー専門の販売店とオンラインの中古車検索サイトの二つの方法が挙げられます。
キャンピングカー専門の販売店・ビルダー
中古キャンピングカーの購入においては、専門知識が必要なため、信頼できるキャンピングカー専門店やビルダーから購入することが強く推奨されます。一般的な自動車とは異なり、キャンピングカーには架装部分(家具、電装装備、水回りなど)の特殊な修理や整備点検が必要となるため、販売店がその状態を把握し、修理やアフターフォローが可能であるかを確認することが重要です。購入後のメンテナンスや部品供給を考えると、専門販売店との関係を築くことは非常に重要だと言えるでしょう。
具体的な専門販売店の例
- 石井自動車:軽自動車ベースの軽キャンパー「CAMPPY」の製作を手掛ける老舗の架装車&カスタマイズショップです。スズキのエブリイをベースに、ポップアップルーフシステムで就寝スペースを確保します。ベース車両の探し方からサポートし、DIYに自信がない顧客向けに希望の仕様へのバージョンアップも可能です。
- フジカーズジャパン:日本最大級のキャンピングカー在庫数を誇り、新車・中古車・高級車を多数取り扱っています。オプション、製造、メンテナンスまでトータルでサポートします。
- RVトラスト:東北や九州を中心に展開し、中古・新車の販売だけでなく、自社製キャンピングカーの販売、修理、点検、オプションの取付も行っています。
- 東和モータース販売:北海道や関東に店舗を展開し、中古・新車のキャンピングカーや福祉車両を豊富に取り扱っており、修理やパーツ販売も行っています。
- MYSミスティック:山梨県を中心にキャンピングカーの製造から販売までを手掛け、適切なメンテナンスや点検、パーツ販売・取付も提供しています。
- デルタリンク:東北から四国、さらには韓国にも展開し、キャンピングカーやキャンピングトレーラーの新車・中古車販売、買取、パーツ販売、メンテナンスまで幅広く対応しています。LINEでの販売も開始しており、自宅から見積もりまで可能です。
- ロータスRV:関東を中心に店舗を展開し、キャンピングカーの製造・販売を幅広く手掛けています。自社製造のキャブコンやバンコン、軽キャンピングカー「MAMEYA」などを取り扱っており、キャンピングカーの専門家としてメンテナンスや修理にも強みがあります。また、レンタカー事業も展開しており、購入前の試乗も可能です。
- クレストビークル:新車の軽キャンパーがメインですが、下取り車や買い取りで程度の良い中古キャンピングカーも販売しています。顧客の希望に沿った車両探しも行っています。
これらの専門業者では、店頭に並ぶ前に希望条件に合った車両が入荷した場合に連絡をもらえるよう依頼しておくと、グーネットなどのサイトに掲載される前に契約に至るケースもあるため、有効な探し方の一つです。
オンラインの中古車検索サイト
幅広い選択肢から探すには、ネットの中古車検索サイトを活用し、多くの人の目で探すことが有効です。グーネットやカーセンサーといった大手サイトは多くの人が利用しており、中古キャンピングカーの在庫も多数掲載されています。
主なオンラインサイトとその特徴
- グーネット中古車:日本有数の中古車検索サイトで、中古キャンピングカーも検索可能です。販売店の口コミ情報が充実しており、グー鑑定という品質評価システムも提供しているため、安心して利用できるでしょう。
- カーセンサー:中古車検索サイトの代表格で、キャンピングカーの掲載数も日本有数(1500台以上)です。中古車専用の「カーセンサーアフター保証」があり、最大3年間の保証を選択できる点も特徴です。また、車のレビューも掲載されています。
- キャンピングカー比較ナビ:キャンピングカーに特化した日本最大級の比較情報サイトで、バンコンやキャブコンなどの種類、価格など50項目以上の検索条件で絞り込みが可能です。レンタルも全国16か所で可能であり、購入前の体験にも利用できます。
- 車選び.com:28万台以上の中古車を掲載する比較サイトで、「ヤフオク」との連携や中古車ごとの相場比較も可能です。オンラインコンシェルジュサービスも提供しており、初心者の相談にも対応しています。
これらのオンラインサイトを活用する際には、サイトに掲載されていない販売店が自社のホームページで在庫を掲載している場合もあるため、「キャンピングカー 中古車」といったキーワードで検索し、幅広く情報を集めることが推奨されます。中古キャンピングカーの市場は需要が高く、希望通りの車種を見つけるには忍耐力が必要となる場合もあります。そのため、複数の方法を組み合わせて探すことが、理想の一台を見つける鍵となるでしょう。
オークションや個人売買の選択肢とそのリスク
キャンピングカーを150万円程度の予算で探す際、キャンピングカー専門の販売店やオンラインサイトの他に、オークションサイトや個人売買という選択肢も存在します。これらの方法を利用すれば、業者を介さずに車両を手に入れることができるため、理論的にはより安価に購入できる可能性があります。例えば、ヤフオクなどのオークションサイトにはキャンピングカーが出品されることもあり、車選び.comもヤフオクとの中古車オークション連携サービスを提供しています。
しかし、これらの個人間取引やオークションでの購入には、いくつかの大きなリスクが伴います。
保証とトラブルのリスク
まず、個人売買では保証やアフターサービスがほとんど期待できません。一般的な中古車販売店でさえ、保証内容が不明確な場合がある中で、個人間の取引では購入後の不具合や故障が発生しても、自己責任で対応しなければならないケースがほとんどです。
車両状態の不確実性と専門知識の必要性
キャンピングカーは一般的な自動車とは異なり、架装部分(電気系統、水回り、家具など)が特殊であるため、専門的な知識がなければ隠れた故障や不具合を見抜くことが非常に難しいです。例えば、年式の古い車両ではコーキングの劣化による雨漏りのリスクが高く、壁の腐食に繋がることもあります。
また、サブバッテリーの寿命や、FFヒーター、冷蔵庫、給水ポンプといった主要装備が正常に作動するかどうかの確認も不可欠です。もし車両がオークションで仕入れられたものであれば、出品時や落札時の鑑定結果を開示してもらえるか確認することも一つの手です。しかし、裏付けとなる情報がない場合は、販売者や担当者を信用するしかなく、個人的にはあまり推奨されません。
DIYや過去の改造に伴うリスク
個人売買で流通する車両の中には、前オーナーによってDIYで改造されたキャンピングカーも含まれる可能性があります。DIYはコスト削減の可能性がある一方で、不適切な改造がされていると、車両火災などの思わぬトラブルの原因になる可能性も指摘されています。また、法規制の厳しさから、素人が全ての要件をクリアしてキャンピングカー登録(8ナンバー)を行うことは非常に難しいとされており、車検に通らない改造がされている場合もあります。
さらに、自作車や他店で購入した中古車、特に適切な改造がされていない車両の場合、大手ビルダーや一般的な修理工場では、アフターサービスや部品供給を断られるケースがあります。これは、自社で販売していない車両の部品供給を拒否することが法律違反ではないためです。
これらのリスクを考慮すると、オークションや個人売買は初期費用を抑える魅力がある一方で、購入後のトラブルや維持管理において大きな負担となる可能性があるため、十分な知識と覚悟、あるいは専門家による事前の徹底的な確認が不可欠であると言えるでしょう。
150万円台で狙える車種タイプと特徴
150万円程度の予算で中古キャンピングカーを探す場合、選択肢は限られるものの、適切な車種と状態を選べば魅力的な一台を見つけることが可能です。この価格帯では、主に軽キャンピングカーや年式の古いバンコン・キャブコンが狙い目となります。
軽キャンピングカーとその特徴
150万円台の予算で最も現実的な選択肢となるのが、軽自動車をベースとした軽キャンピングカーです。新車では通常150万円から250万円程度が相場ですが、中古であればこの予算で手に入れることが十分に可能です。維持費が比較的安く、運転しやすいというメリットがあります。
具体的な車種の例
- スズキ エブリイベースの「CAMPPY」(石井自動車)
スズキのエブリイ(DA64W/DA64V型)をベースとした軽キャンパーで、車両本体が中古で50万円程度(前期型)から100万円弱(後期型)で購入でき、これにポップアップルーフと内装架装の費用98万円のプランを合わせると、総額150万円程度で本格的な車中泊マシンが手に入るとされています。ポップアップルーフにより大人2人と子供1人分の就寝スペースを確保でき、室内はフラットな空間となります。ターボモデルが架装による車重増にも対応しやすく推奨されています。 - 三菱 タウンボックスベースの「軽キャンパー タウンボックス」
100万円を切る価格で手に入る軽バンコンの例として挙げらることの多い車種です。4WDで雪道や未舗装路での走行もスムーズです。走行距離は11万kmを超えているものが多いですが、後部の架装部分やサブバッテリーは新品に交換されているケースもあり、外見が通常の車と変わらないため日常使いにも適しています。 - ダイハツ ハイゼットカーゴベースの「D-クラフト ハイゼットカーゴ楽旅」
4ナンバー貨物登録車のため、維持費を抑えられます。大人2人が足を伸ばして寝られるロングフラットベッドを搭載し、スライド式テーブル、サイドキャビネット、ルーフBOX、防虫ネット、外部充電器などの装備があらかじめ備わっています。 - ダイハツ ハイゼットトラックベースの「インディアナRV インディ727」
キャブコンタイプの軽キャンピングカーで、比較的高額な高級仕様ですが、スタイリッシュな見た目と広々とした室内空間が特徴です。子供を含む最大4人が就寝でき、ポップアップルーフを上げれば車内で立ち上がることも可能です。ソーラーシステムやFFヒーター、ギャレー(流し)などの装備も充実しています。
バンコン(バンコンバージョン)とその特徴
中古のバンコンは、新車で400万円から800万円が相場ですが、中古であれば150万円から400万円程度で見つけることができます。150万円程度の予算では、年式が古めまたは走行距離が長めの車両が中心となります。
具体的な車種の例
- トヨタ ハイエース「トイファクトリー・トイズボックス」(200系初期型)
平成18年(2006年)前後の初期型であれば、150万円台(159万円から179万円程度)で購入できる可能性があります。走行距離は10万kmを超えることが多いですが、対面シートや段違いの2段ベッド、荷物スペースなど、人が乗れて寝られる使いやすいレイアウトが特徴です。FFヒーターが付いていればさらに良い条件とされます。
- 日産 キャラバン「ビークル・ブロスE24」
100万円台前半で乗り出せる車種として挙げらることの多い車種です。対面シートとシンクが後部に配置された使いやすいレイアウトが特徴で、就寝スペースも確保されています。エアコンがついていない場合もありますが、シンプルながらも「乗り潰すつもり」での購入には適しています。 - マツダ ボンゴ「ロータスRV イーライト 4WD」
マツダ ボンゴバンをベースにロータスRVが製作したコンパクトなバンコンです。四輪駆動(4WD)仕様なので、雪道や未舗装路など厳しい路面状況にも対応できます。小柄な車体ながら基本的なキャンパー装備が搭載され、普段使いや週末の車中泊に適した柔軟な選択肢です。 - カムロード(トヨタ)ベース「バンテック・コルドバンクス」
トヨタのトラックシャーシ「カムロード」をベースにした代表的なキャブコンで、中古市場での流通量も多く、長距離走行や積載性能に優れています。150万円前後の予算では、平成10年代前半(2000年〜2005年頃)の初期モデルが多く、走行距離は15万〜20万kmに達する車両が中心です。レイアウトは後部二段ベッド+中央ダイネットが主流で、6〜7人乗車・4〜5人就寝が可能。エンジンや足回りは比較的タフですが、シェルの雨漏りや内装の劣化が進んでいる個体も多いため、購入前の点検が必須です。 - いすゞ ロデオ(横浜モーターセールス)
平成一桁台(約30年前)の非常に古いモデルで、「絶滅危惧種」と称されるほど希少な存在です。価格は70万円から100万円程度で見つかることもありますが、NOx・PM法に適合しないディーゼル車であるため、適合地域(関東圏や関西圏など)では別途適合工事に70万円から100万円程度の費用がかかる可能性があります。適合地域の外で使用する人には適しているかもしれません。外見は「バックトゥザフューチャーのデロリアン」のような特徴的なデザインです。 - ライトエーストラックベースの「グローバル・アスリート」
かつてのキャブコン三大ビルダーの一つであった「グローバル」社(現在は解散)が製造していたモデルで、100万円台で購入できる可能性があります。2段ベッドタイプやL字型ダイニングタイプなど多様なレイアウトがありました。しかし、パネルの継ぎ目からの雨漏りが非常に多いという致命的な注意点があり、購入時には床や壁の腐食がないか徹底的な確認が必要です。オークションなどで安易に購入すると「ババを引く」リスクが高いとされています。 - ライトエーストラックベースの「リエキスポート・アウトドアジュニア」
現在は別のビルダーが引き継いでいますが、根強いファンがいるモデルです。通常は200万円台が相場ですが、年式が古く走行距離が多いものであれば100万円台後半で見つかることもあるとされます。発電機、温水器、エアコンが標準装備された「完全自立型キャンピングカー」と呼ばれ、災害時にも利用できる高い機能性を持ちます。市場に出回ることが少なく、見つけたら即座に狙う価値があるとされています。 - マツダ ボンゴ「AtoZ アミティ」
コンパクトな車体サイズで取り回しが良く、普段使いしやすいバンコンとして人気があります。150万円前後の予算では、平成17年(2005年)~平成20年(2008年)頃のモデルが狙い目で、走行距離は8万~12万km程度が多め。後部に2段ベッドとギャレー(簡易キッチン)を備え、家族3〜4人での小旅行にも対応できます。FR車だけでなく4WD仕様もあり、雪道や悪路走行を視野に入れる人にも選ばれています。 - バンコン: 軽バン(軽ワゴン)の内装を改造して作られるタイプです。外観がベース車両と大きく変わらないため、日常使いにも適しています。
- キャブコン: 軽トラックの荷台部分に居住空間(キャビン)を架装するタイプです。軽バンコンに比べて居住スペースが広く、キャンピングカーらしい見た目が特徴です。
- 軽キャンパー タウンボックス:三菱の「タウンボックス」をベースにした軽バンコンです。100万円を切る価格で見つかることもあり、4WD駆動の車両であれば、雪道や未舗装路でも安定した走行が期待できます。車両によっては、後部の架装部分やサブバッテリーが新品に交換されている掘り出し物も存在し、外見からはキャンピングカーと分からないため、日常使いにも適しています。
- D-クラフト ハイゼットカーゴ楽旅:ダイハツの軽ワゴン「ハイゼットカーゴ」をベースに改造されたモデルで、4ナンバー貨物登録車であるため、維持費を抑えることが可能です。製造元がダイハツグループの会社であるため、信頼性も高く評価されています。就寝定員は2人ですが、大人2人が足を伸ばして寝られるロングフラットベッドを備え、就寝時の快適性が確保されています。
- インディアナRV インディ727:ダイハツの「ハイゼットトラック」をベースにしたキャブコンタイプで、キャンピングカーらしいスタイリッシュな見た目と、軽キャンパーとしては広々とした室内空間が特徴です。ポップアップルーフを装備している車両もあり、ルーフを上げれば車内で立ち上がることができ、開放感のある空間を楽しめます。子供を含む最大4人が就寝可能で、運転や駐車も軽バンコンと大きく変わらず容易です。
- 電装システム:
- サブバッテリー: 電装品の動作を支える重要な部品です。寿命があり、消耗品であるため、交換して納車されるのか、現状のままで納車されるのかを確認することが重要です。従来の鉛バッテリーは使用サイクルが短いため、新品交換が理想的です。リチウムバッテリーは使用サイクルが長く、新品交換のケースは少ないですが、使用状況や保管状況によって劣化具合が変わるため、状態を詳しく確認しましょう。
- インバーター、走行充電、ソーラーパネル、外部充電端子: これらの電気供給・変換・蓄電システムが正常に動作することを確認してください。オートプラスのキャンピングカーでは、サブバッテリーで室内灯や冷蔵庫などが作動し、エンジン停止時でも電気が使えるため、車中泊時に非常に人気があります。
- FFヒーター: 寒冷地での使用には必須の装備であり、動作確認が必要です。
- 水回り: シンク、給水ポンプ、冷蔵庫、シャワーなど、各設備の動作を確認しましょう。水タンクの臭いや清潔さも確認すると良いでしょう。中には、バーベキュー時に屋外で使えるように、冷蔵庫が取り外し可能になっている車両もあります。
- プロパンガスボンベ: 検査期限が切れていないかを確認してください。期限切れの場合は充填してもらえません。
- 室内照明: サブバッテリーで動く室内照明は、車中泊時にエンジンを停止した状態で使用できるため、非常に人気の高い装備です。
- テーブルとベッド:
- テーブル: 引き出し式や取り外し可能なもの、またL字型の対面式レイアウトのものが一般的です。オートプラスのハイエースのキャンピングカーには、取り外し可能なテーブルがあり、取り外すとフラットなベッドになります。
- ベッド: 大人2人が足を伸ばして寝られるロングフラットのベッドや、段違いの2段ベッドなど、様々なタイプがあります。ベッド下を収納スペースとして活用できるデザインもあります。寝心地を左右するマットの質感も確認しましょう。
- 収納スペース: 荷物を積むための収納スペースが十分に確保されているか確認します。
- 雨漏りの有無: 年式の古い車両では、コーキングの劣化により雨漏りが発生する可能性があります。特に、グローバルアスリートのようなパネルを継ぎはぎで構成しているモデルは、継ぎ目から雨漏りしやすいという注意点が指摘されており、床の腐食や指がスポスポ入るような状態でないか、よく見て購入する必要があります。雨漏りは壁の腐食などにつながるため、非常に重要なチェックポイントです。
- 内装の状態: 家具や床の傷、シートのほつれ、カーテンの破損など、居住空間に直結する部分の劣化具合を確認しましょう。前のオーナーや販売店がどのように車両を扱っていたかを知る手がかりになります。
- 雹害の有無: 雹害に遭った中古車は、ボディのへこみだけでなく、ルーフに搭載されたソーラーパネルやベントカバーなどにもダメージがある可能性があるため、専門家による確認が必要です。
- アフターサービスと保証: キャンピングカーの架装部分は特殊なため、一般的な自動車ディーラーではメンテナンスが難しい場合があります。購入先の販売店が架装部分のメンテナンスに対応してくれるか、どこに相談すればよいかを事前に確認することが重要です。中古車販売店の保証は、明確な規定書がないと期待できない場合があるため、保証内容をしっかり確認しましょう。
- カスタマイズ性: オートプラスのキャンピングカーのように、内装の素材(石目調、木目調、革調など)や色、レイアウト(対面式など)を希望に合わせてカスタマイズできる場合もあります。
- DIY改造車: 中古のキャンピングカーの中には、DIYで改造されたものもありますが、水回りや電気系統のDIYは非常に難しく専門知識が必要であり、プロの業者への依頼が推奨されます。強度や防水、防犯といった安全面もDIYでは特に重要になります。安易な改造では車検に通らないリスクもあります。
- メンテナンス記録と走行距離の確認の重要性
- アフターサービスと保証内容の確認
- 古いディーゼル車の規制と注意点
- 信頼できる販売店・ビルダー選びのポイント
- キャンピングカーのDIY(自作)という選択肢とその費用
- 購入後の維持費と税金・保険料の考慮
- 購入前の体験と用途の明確化
- 中古キャンピングカー購入のメリットとデメリット
- 車両状態の正確な把握: 特に中古車の場合、修復歴や装備品の劣化具合、サブバッテリーの状態などを正確に把握し、開示できるかを確認しましょう。修復歴については、第三者機関による品質評価書があるかどうかが一つの判断基準になります。
- 法規制への対応: キャンピングカー登録(8ナンバー)の要件は厳しく、素人が全てをクリアするのは困難です。専門業者であれば、構造変更やナンバー登録に関する手続きを適切にサポートできます。
- 専門的な修理・点検: 購入後の修理、整備、点検をどこまで対応してくれるか、架装部分の故障に対応可能かを確認しておくことが不可欠です。
- 部品供給: 自作車や他店購入の中古車の場合、大手ビルダーや一般的な修理工場でアフターサービスや部品供給を断られるケースがあるため、購入後のメンテナンスや部品供給を考えると、信頼できるキャンピングカー専門販売店(できればビルダー)との関係を築くことが非常に重要です。
- 保証内容: 車両本体の保証だけでなく、架装部分の保証内容も確認しましょう。特に高額なパーツが多い電装装備の保証は重要です。
- 軽キャンピングカー: 年間の維持費は20万円から30万円程度が目安とされており、他のタイプに比べて経済的です。普段使いも想定されることが多く、比較的低負担でキャンピングカーライフを始めたい方に適しています。
- バンコン: 年間維持費は20万円から50万円程度とされており、軽キャンピングカーより広さがある分、維持費もやや上がります。
- キャブコン・バスコン: これらは大型のキャンピングカーであり、年間の維持費は40万円から70万円程度と最も高額になります。
- ディーゼル車: 新規登録から11年が経過すると税率がアップします。
- ガソリン車: 新規登録から13年が経過すると税率がアップします。
- サブバッテリー: 消耗品であり、寿命や状態、交換時期を確認することが重要です。
- プロパンガスボンベ: 検査期限が切れていないか確認が必要です。期限切れの場合、充填してもらえないことがあります。
- タイヤ: 車重が重いため負荷が大きく、消耗度や製造年(3~4年での交換が推奨)を確認し、タイヤバーストのリスクにも注意が必要です。
- 雨漏り: 年式の古い車両ではコーキングの劣化による雨漏りの発生が特に注意すべき点で、壁の腐食に繋がる可能性があります。
- 電装系統: インバーターや走行充電、ソーラーパネル、外部充電端子などの動作確認が必須です。
キャブコン(キャブオーバーコンバージョン)とその特徴
キャブコンはキャンピングカーの「花形」とされるタイプで、新車価格は600万円から1000万円と高価ですが、中古であれば200万円から800万円程度で見つかります。150万円程度の予算では、かなり年式の古い車両に限られ、注意が必要な点が多くなります。
具体的な車種の例
これらの車種タイプを検討する際は、予算が限られているため、年式が古かったり走行距離が長かったりする車両が多いことを念頭に置く必要があります。特に古いキャブコンは、専門的な知識がないと見抜けない雨漏りや装備品の劣化、修理の難しさなどの大きなリスクが伴うため、購入前の徹底的な確認と、購入後のメンテナンス体制の考慮が非常に重要となります。
軽キャンピングカー:手軽さとその魅力
軽キャンピングカーは、手軽にアウトドアや車中泊を楽しみたいと考える人々にとって、魅力的な選択肢となっています。新車での購入が難しい100万円台の予算であっても、中古車市場では多くの軽キャンピングカーを見つけることができ、キャンピングカーライフを身近に始められる可能性を秘めています。
軽キャンピングカーの多様性
軽キャンピングカーは、一般的に軽トラックや軽ワゴンなどをベースに改造された車両を指し、「軽キャンパー」とも呼ばれます。その種類は、ベースとなる車両のタイプや架装方法によって多様です。
これらのタイプに加え、ポップアップルーフ、シャワー、ソーラーチャージャーといった多様な装備を持つモデルが存在し、予算や用途に合わせて選択することができます。
手軽さと維持費の魅力
軽キャンピングカーの最大の魅力は、その手軽さに集約されます。
経済性においては、新車の軽キャンピングカーは200万円から400万円程度が相場ですが、中古車であれば100万円から200万円程度で購入可能であり、中には100万円を切る価格帯の車両も見られます。これは他の種類のキャンピングカーと比較して非常にリーズナブルであり、費用面でのハードルを大きく下げています。また、軽自動車をベースとしているため、税金や保険料、燃料代、駐車場代などの維持費も比較的安価に抑えることができます。ただし、自動車税については、軽自動車であることによる大幅なメリットはほとんどありません。
運転のしやすさも魅力の一つです。軽自動車ならではのコンパクトな車体は、運転初心者でも取り回しがしやすく、狭い山道や街中の駐車スペースでも困ることが少ないのが特徴です。日常使いの車としても活用できるため、レジャーだけでなく通勤や買い物、ワーケーションなど、幅広いシーンでの利用が可能です。
特に1人から3人程度の少人数での利用を想定している場合、軽キャンピングカーは十分な居住空間を提供し、快適な車中泊を実現します。
DIYによるカスタマイズの可能性
軽キャンピングカーは、DIY(自作)のベース車両としても非常に人気が高いです。DIYに自信がある場合は、自分だけのオリジナルキャンピングカーを作ることに挑戦できます。特に内装のDIYであれば、軽自動車ベースの車両は比較的難易度が低く、初心者でも挑戦しやすいとされています。費用もホームセンターで入手できる材料を使えば、10万円から30万円前後で抑えることが可能です。ただし、DIYを行う際には、車両の安全性を確保するため、走行中の振動に耐えうる強度、雨漏り防止の防水対策、電装品や給排水設備の適切な設置など、専門知識を要する部分には十分な注意が必要です。
中古軽キャンピングカーのおすすめモデル
100万円台の予算で狙える中古の軽キャンピングカーの中から、特に注目すべきモデルをいくつかご紹介します。
軽キャンピングカーは、気軽にアウトドアを楽しみたい方や、キャンピングカーを日常的に使いたい方にとって、費用、運転、維持費の面で非常に魅力的な選択肢です。中古車市場を上手に活用することで、憧れのキャンピングカーライフを手軽にスタートさせることができるでしょう。
中古ミニバン・ハイエースベースのカスタムキャンピングカー
軽キャンピングカーが持つ手軽さに加えて、ミニバンやハイエースをベースとしたカスタムキャンピングカーは、その居住空間の広さと日常使いのしやすさを両立させる魅力的な選択肢として注目されています。新車キャンピングカーの価格が高騰し、納車まで長期間を要する現状において、中古車をベースにしたカスタムは、初期費用を抑えつつ、すぐにキャンピングカーライフを始めたいというニーズに応えるものとなっています。
中古車ベースカスタムの魅力と需要
中古車をベースにキャンピングカーへとカスタムすることで、新車に比べて初期費用を大幅に抑えることが可能です。特に現在、新車のキャンピングカーは半導体不足や需要の増加により、納車までに1年から1年半以上かかるケースが多く、この状況が中古車価格の高騰にも繋がっていますが、それでも中古車であれば長期的な待ち時間なしに、気に入った車両をすぐに入手できるというメリットがあります。また、前のオーナーが追加した高価なオプションが既に搭載されている場合があり、お得感が増すこともあります。
ベース車両としてのミニバンとハイエース
ミニバンベース (例: ヴェルファイア)
ミニバンをベースとしたキャンピングカーは、「バンコン」の一種であり、乗用車の内装を改造して作られます。トヨタのヴェルファイアのような車種は、ベース車両としての乗用車由来の乗り心地や静粛性に優れている点が大きな特徴です。外観がベース車両と大きく変わらないため、普段使いの車としても違和感がなく、通勤や買い物、ワーケーションなど幅広いシーンでの活用が可能です。
カスタマイズにおいては、後部座席をすべて撤去し、居住空間を確保します。内装には対面式のレイアウトが採用され、ウレタン製の高品質なマットを使用することで、長時間の滞在でも快適な就寝スペースを提供します。冷蔵庫や引き出し式のテーブル、シンクなどの基本的な装備も搭載され、電装系ではサブバッテリーや室内照明が備わります。外装も、オフロードタイヤやルーフキャリアなどを装着することで、よりアウトドアを意識したスタイルに仕上げることも可能です。
ハイエースベース
トヨタのハイエースは、貨物車・商用車をベースとしたキャンピングカーの定番であり、その堅牢性と耐久性の高さから、長く乗り続けることができるという特徴があります。広大な室内空間を活かし、多様なレイアウトが実現可能です。フローリング加工が施され、ロングフラットベッドを配置することで、大人でも十分に足を伸ばして就寝できるスペースを確保できます。
ハイエースベースのキャンピングカーには、シンクやサブバッテリー、コンセントなどの設備が整えられ、冷蔵庫も取り外し可能なタイプが選べるなど、利便性が考慮されています。専門業者によっては、石目調の壁や革調の布地など、様々な素材やデザインを選ぶことができ、オーナーの好みに合わせたオリジナリティあふれる空間を創り出すことが可能です。また、トイファクトリーのトイズボックスのように、200系ハイエースの初期型であれば、100万円台で入手可能な中古車も見られる場合があります。
専門業者によるカスタム:アウトプラスの事例
アウトプラスでは、中古のミニバン(ヴェルファイア、ハイエース、アルファード、ヴォクシーなど)をベースに、普段使いにも適したキャンピングカーを手頃な価格で制作しています。乗用車ベースのため、乗り心地や静粛性に優れている点が特徴です。内装の素材やレイアウトを顧客の要望に合わせてカスタマイズでき、シンクや冷蔵庫、サブバッテリーなどの電装系も搭載可能です。県外の顧客が車両を持ち込む場合でも、構造変更の複雑な手続き(一時抹消登録・新規登録)を代行し、8ナンバー登録をサポートします。車両探しから依頼することも可能です。
中古キャンピングカー選びの重要チェックポイント:車両本体
中古キャンピングカーの購入は、新車に比べて初期費用を抑え、すぐにキャンピングカーライフを始められる魅力的な選択肢です。しかし、車両の状態によっては長く乗り続けることが難しい場合もあるため、特に車両本体の状態を詳細に確認することが重要です。
年式・走行距離・メンテナンス記録の確認
中古のキャンピングカーを選ぶ際、まず確認すべきは車種、年式、走行距離、そして過去のメンテナンス記録です。これらの記録は、前のオーナーや販売店がどのように車両を扱っていたかを判断する重要な材料となります。
一般的に、自動車の寿命は10年から15年程度、走行距離で10万kmから15万kmが買い替えの目安とされています。しかし、ハイエースやカムロードのような貨物車・商用車をベースにしたキャンピングカーは、その耐久性の高さから寿命が長く、適切なメンテナンスを行えば20年から30年以上乗り続けることも可能です。例えば、10万km以上の走行距離であっても問題なく使用できることが多いとされています。
ただし、年式が古い車両の場合、自動車税や自動車重量税が高くなる可能性があります。ディーゼル車は新規登録から11年、ガソリン車は13年で税率がアップします。また、製造中止から10年以上経過した車種では、メーカーからのパーツ入手が困難になり、故障箇所によっては修理が高額になるケースもあります。
修復歴の有無
購入を検討している車両の修復歴(事故歴)の有無は必ず確認すべき重要なポイントです。中古車サイトによっては、車両の品質評価書を掲載している場合があり、これを確認することが推奨されます。修復歴があるからといって必ずしも悪いわけではなく、修理箇所や状態、そして価格に納得できるのであれば問題ない場合もありますが、価格を左右する重要な要素であるため、抜かりなくチェックすることが必要です。特に個人売買の場合、保証やトラブルのリスクが高く、車両状態の不確実性が伴うため、キャンピングカー専門の知識がないと隠れた故障を見抜くのが難しいとされています。
内外装の状態と足回り
車両の内装や外装の状態も、前のオーナーがどのように扱っていたかを知る手がかりとなります。家具や床の傷、シートのほつれ、カーテンの破損といった、直接居住空間に関わる部分の劣化具合を確認しましょう。
また、足回りの錆や腐食は、適切なメンテナンスが行われていたかを示す重要な指標です。年式の古い車両では、シャシーの錆やサスペンションのヘタリなど、経年劣化によるトラブルのリスクが高まるため、重点的にチェックが必要です。中古車情報サイトの写真だけでは判断が難しいため、可能な限り販売店に足を運び、直接車両を細かくチェックすることが強く推奨されます。
タイヤの状態
キャンピングカーは車両の総重量が重いため、タイヤには大きな負荷がかかります。購入時には、タイヤの消耗度や製造年を確認し、製造から3~4年経過している場合は交換を検討することが推奨されます。タイヤの亀裂などがないかも確認し、必要であれば販売店に交換してもらうよう相談しましょう。
中古キャンピングカー選びの重要チェックポイント:架装部分
中古キャンピングカーを選ぶ際、車両のベース部分だけでなく、キャンピングカーとしての機能を提供する架装部分の状態を詳しく確認することは非常に重要です。架装部分とは、居住空間やそれに付随する設備全般を指し、キャンピングカーの快適性や使い勝手を大きく左右します。
全体的な装備品の確認
中古キャンピングカーの架装部分をチェックする際は、全てのスイッチや装備を実際に動かしてみて、不具合がないかを確認することが非常に重要です。故障している場合は、納車前に修理してもらえるかどうかも確認しましょう。特に、キャンピングカーに搭載されている電装品が正常に作動するかは必須の確認事項です。
主要な装備品のチェックポイント
以下に、特に確認すべき主要な装備品とその注意点を挙げます。
内外装と構造部分の状態
架装部分の見た目だけでなく、構造的な問題がないかを確認することが重要です。
その他の注意点
これらの点を総合的に確認し、購入後に後悔しないキャンピングカー選びをすることが大切です。
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メンテナンス記録と走行距離の確認の重要性
中古キャンピングカーを選ぶ際、車両のベース部分の状態、特に「メンテナンス記録」と「走行距離」を詳細に確認することは極めて重要です。これらの情報は、前のオーナーや販売店がどのように車両を扱っていたかを知る上で、購入後の安心感を大きく左右するからです。
走行距離と年式が示す車両の状態
一般的に自動車の寿命は10年から15年程度、走行距離で10万kmから15万kmが買い替えの目安とされています。しかし、キャンピングカーのベース車両として人気の高いハイエースやカムロードのような貨物車・商用車は耐久性に優れており、乗用車よりも平均使用年数が長いという特徴があります。適切なメンテナンスが施されていれば、これらの車両は10万km以上の走行距離であっても問題なく使用できることが多く、中には20年から30年以上乗り続けることも可能だとされています。実際、約30年前に製造され、12.8万km走行のタウンエーストラックや14.9万km走行のコースタービッグバンが中古市場で販売されている例もあります。
しかし、年式が古い車両にはいくつかの注意点が存在します。例えば、平成一桁台のキャンピングカーなど、年式が古い車両の場合、自動車税や自動車重量税が高くなる可能性があります。具体的には、ディーゼル車は新規登録から11年、ガソリン車は13年で税率がアップします。また、製造中止から10年以上経過した車種では、メーカーからのパーツ入手が困難になり、故障箇所によっては修理が高額となるケースも指摘されています。さらに、シャシーの錆やサスペンションのヘタリなど、経年劣化によるトラブルのリスクも高まるため、年式が古い車両の足回りも重点的にチェックする必要があります。
メンテナンス記録と修復歴の徹底確認
中古キャンピングカーを選ぶ際には、単に走行距離や年式だけでなく、過去のメンテナンス記録を詳細に確認することが必須です。エンジンやブレーキシステムといった重要箇所だけでなく、エンジンオイルやフィルターの交換履歴などから、購入後の故障リスクがないかを判断する材料となります。基本的なメンテナンス記録は中古車情報サイトでも確認できますが、不明な点があれば必ず販売店に問い合わせて詳細を確認しましょう。
また、車両の修復歴(事故歴)の有無も必ず確認すべき重要なポイントです。中古車サイトによっては、グーネットやカーセンサーのように、車両の品質評価書や鑑定結果を掲載している場合があるため、これらを確認することが推奨されます。特にグーネットが運営する鑑定は、日本自動車鑑定協会所属の鑑定士が実際に車両を細かくチェックして品質を評価したものです。修復歴があるからといって必ずしも悪いわけではなく、修理箇所や状態、そして価格に納得できるのであれば問題ない場合もありますが、修復歴は価格を大きく左右する重要な要素であるため、抜かりないチェックが不可欠です。特に個人売買の場合、保証やトラブルのリスクが高く、専門知識がないと隠れた故障を見抜くことが難しいため、注意が必要です。
アフターサービスと保証内容の確認
中古キャンピングカーの購入を検討する際、特に重要なのが「アフターサービス」と「保証内容」の徹底的な確認です。キャンピングカーは一般的な乗用車とは異なり、ベース車両に加えて特殊な「架装部分」が組み合わさっているため、購入後のメンテナンスや修理には専門的な知識と技術が不可欠となります。
アフターサービスの重要性
キャンピングカーの「架装部分」、例えば電気系統、FFヒーター、冷蔵庫、給水ポンプなどは非常に特殊であり、一般的な自動車ディーラーでは対応が難しいことが多いです。そのため、購入を検討している販売店が、この架装部分のメンテナンスや修理に対応してくれるのか、あるいはどこに相談すれば良いのかを事前に確認しておくことが極めて重要です。
信頼できる販売店・ビルダー選び
キャンピングカーは特殊な車両であるため、購入後の長期的な付き合いを考慮し、信頼できるキャンピングカー専門店やビルダーから購入することが強く推奨されます。例えば、石井自動車のように軽キャンパーのカスタマイズに特化し、ベース車両の探し方からサポートしてくれる専門ショップもあります。また、RVトラスト、東和モータース販売、MYSミスティック、デルタリンク、ネクストライフといった専門販売店は、新車・中古車の販売だけでなく、修理、点検、オプションの取り付け、パーツ販売なども行っています。これらの店舗では、キャンピングカー特有のトラブルにも対応できる体制が整っています。
保証内容の確認
中古キャンピングカーの保証内容は、販売店や業者によって大きく異なります。一般的な中古車販売店の保証は、明確な規定書がないと期待できない場合があるため、必ず書面で保証内容をしっかりと確認しましょう。
車両本体と架装部分の保証
新車のキャンピングカーの場合、通常、ベース車両はメーカーが、架装部分はビルダーや販売店が保証を行うのが一般的ですが、中古車の場合はその限りではありません。特に電装装備は故障すると高額なパーツが多いため、車両全体の保証に加え、架装部分の保証についても細かく確認することが必須です。
構造変更と登録について
シートを取り外して内装を架装する場合など、中古車両に大掛かりな改造を施す場合は、構造変更が必要となることがあります。キャンピングカー登録(8ナンバー)の規定は厳しく、シンクや寝台スペースの割合、簡単に取り外しできない構造、シートベルト、難燃材の使用など、細かな要件をクリアする必要があります。
古いディーゼル車の規制と注意点
中古キャンピングカーの購入を検討する際、特に古い年式のディーゼル車をベースとした車両には、いくつかの重要な注意点が存在します。これらは、購入後の維持費用や使用範囲に大きく影響するため、事前の確認が不可欠です。
地域ごとの排ガス規制と「ノックス問題」
古いディーゼル車は、特定の地域において「ディーゼル規制」の対象となる可能性があります。特に「ノックス不適合」の車両は、その地域の乗り入れが制限されることがあります。例えば、平成一桁台のキャンピングカー、特にいすゞの「ロデオ」のような車種は、ノックス不適合であるため、関東や関西などの特定の地域ではほとんど見かけなくなっています。これは、ノックス問題という排ガス規制に起因するもので、適合地域での使用には多額の費用がかかる可能性があります。ノックス適合化には、70万円から100万円程度の費用がかかることも指摘されています。そのため、これらの費用を考慮すると、ノックス規制の対象地域外に住む方や、対象地域での使用を想定しない方が購入を検討するのが良いとされています。
税金と維持費
古いディーゼル車は、税制面でも注意が必要です。ディーゼル車は新規登録から11年が経過すると自動車税率がアップします。さらに、新規登録から13年や18年が経過すると自動車重量税も高くなる可能性があります。また、年式が古い車種では事故のリスクが高まるとして、任意保険料が上がる可能性も考えられます。製造中止から10年以上経過した車種の場合、メーカーから純正パーツの入手が困難になることもあり、故障箇所によっては修理が不可能になったり、メンテナンス費用が高額になったりするリスクもあります。
ディーゼル車の特性と確認点
一方で、ディーゼルエンジンを搭載したキャンピングカーは、その耐久性に優れているという特性もあります。適切なメンテナンスが施されていれば、走行距離が10万kmを超えていても問題なく使用できることが多く、中には50万kmまで耐えられると言われる車両も存在します。ディーゼル車はトルクが大きく燃費が良い傾向にありますが、ガソリン車と比較してエンジン音が大きい場合がある点も考慮しておきましょう。購入を検討する際は、これらの特性と合わせて、必ずその車両が使用する予定の地域のディーゼル規制に適合しているかを事前に確認することが極めて重要です。
信頼できる販売店・ビルダー選びのポイント

キャンピングカーの購入を検討する際、特に中古車やDIYを視野に入れる場合、信頼できる販売店やビルダー(架装業者)を選ぶことは極めて重要です。キャンピングカーは一般的な自動車とは異なる専門的な知識やメンテナンスが必要な特殊車両であり、購入後の長期的な利用を考慮すると、その選択がキャンピングカーライフの質を大きく左右します。
専門性と知識の有無
信頼できる販売店・ビルダーは、キャンピングカーに関する専門知識と経験が豊富です。ベース車両の選定から、架装部分(電気系統、給排水システム、FFヒーターなど)の知識、さらには法規制に関する詳細な情報まで提供できることが望ましいです。
購入後のアフターサービスとメンテナンス体制
キャンピングカーの架装部分は特殊なため、一般的な自動車ディーラーではメンテナンスが難しい場合が多いです。
キャンピングカーのDIY(自作)という選択肢とその費用
キャンピングカーの購入を検討する際、既製品だけでなく、自分で内装をカスタマイズするDIYも魅力的な選択肢です。DIYの経験に自信がある場合は挑戦してみる価値がありますが、専門業者である「ビルダー」への依頼も推奨されています。特に初めてキャンピングカーを購入する場合は、通常車とは異なる注意点が多いため、専門家によく相談しながら進めることが大切です。
DIYの費用とメリット・デメリット
キャンピングカーのDIYにかかる費用は、内装に10万円から30万円前後が一般的です。これはホームセンターで入手できる材料を使った場合の目安です。ただし、カーオーナーのこだわりによって費用は大きく変動します。
DIYの主なメリットは、コスト削減と高いカスタマイズ性です。既製品よりも費用を抑えながら、自分好みの設備やレイアウトを実現できます。また、製作過程そのものを楽しむことができ、電気系統や給排水など、車両や設備に関する専門知識を習得できる点も魅力です。
一方で、デメリットも存在します。まず、8ナンバー登録には厳しい法規制があり、素人がすべての要件をクリアするのは非常に難しいとされています。不適切な改造は車両火災などのトラブルにつながる可能性もあり、安全面への配慮が不可欠です。また、自作車は大手ビルダーや修理工場でアフターサービスを断られるケースがあるため、購入後のメンテナンス体制を考慮する必要があります。
DIYキャンピングカーの製作を始める際は、まずは内装から始めるのがおすすめです。特にテーブルやベッドはDIYしやすい家具類です。しかし、内外装の見た目だけでなく、強度や防水、防犯といった安全面を重視することが大切です。
購入後の維持費と税金・保険料の考慮
キャンピングカーの購入を検討する際、初期費用である車両価格だけでなく、購入後の維持費、税金、保険料といったランニングコストを事前に考慮することは非常に重要です。特に中古車の場合、見えない部分の劣化や古い年式によるコスト増のリスクがあるため、これらの費用を詳しく把握しておく必要があります。
維持費について
キャンピングカーの年間の維持費は、そのタイプやサイズによって大きく異なります。車両が大きくなればなるほど、車検費用、保険料、燃料代、駐車場代といった項目が高額になる傾向があります。
長期的にキャンピングカーを運用する上で、適切なメンテナンスを行うことがその寿命を20年から30年以上まで伸ばす可能性があるため、燃料代だけでなく定期的な点検や修理にかかる費用も維持費として見込んでおく必要があります。
税金・保険料について
キャンピングカーを含む自動車は、新規登録から一定期間が経過すると税金が高くなる制度があります。
例えば、2019年9月までに登録されたハイエースベースのバンコン(ガソリン・排気量2,500cc~)の場合、自動車税種別割は13年未満で51,000円ですが、13年を超えると58,600円に上がります。また、新規登録から13年および18年経過で自動車重量税も高くなり、古い車種では事故リスクの増加を理由に任意保険料が上がる可能性も考慮に入れる必要があります。軽キャンピングカーの場合、自動車税に大きなメリットはほとんどないとされています。
購入前の体験と用途の明確化

キャンピングカーの購入は、車両本体価格だけでなく、その後の維持費やライフスタイルに大きく影響するため、事前の慎重な検討が不可欠です。特に、購入前に実際のキャンピングカーを体験し、自身の具体的な用途を明確にしておくことが、後悔のない選択をする上で非常に重要となります。
実際のキャンピングカーを体験する重要性
購入を検討しているキャンピングカーが、自身の期待や使用目的に本当に合致するかを確認するためには、レンタカーでの試用が強く推奨されます。例えば、東和モータース販売やRVトラスト、キャンピングカー比較ナビなど、多くの専門業者やサイトでレンタルサービスを提供しており、1日15,000円からといった料金でキャンピングカーの雰囲気を試すことができます。実際に車両を借りて、その使い勝手や走行性能、居住性を体験することで、「ベッドスペースが思ったより狭かった」「エアコンがうるさくて使えない」といった購入後のミスマッチを防ぐことが可能になります。また、中古車にいきなり乗るのが不安な場合でも、レンタルを通じてその雰囲気や設備を理解できるというメリットがあります。
用途を明確にする必要性
キャンピングカーを選ぶ上で、どのような目的で、どのくらいの頻度で、誰と使用するのかといった用途を具体的に明確にすることが非常に重要です。この目的を明確にすることで、本当に必要な装備を見極め、自身の生活スタイルに合った最適なキャンピングカーを選択することができます。
例えば、1人で釣りやキャンプに利用するのであれば、維持費も安く運転しやすい軽キャンピングカーが適しているかもしれません。一方、大人数での家族旅行や長距離ドライブでの観光を主な目的とするならば、より広い居住空間を持つキャブコンやバスコンが候補となるでしょう。また、日常使いも考慮するなら、外観が一般車とあまり変わらないバンコンや軽キャンピングカーが便利です。
必要となる具体的な装備も、用途によって大きく異なります。トイレやシャワー、暖房(FFヒーター)、エアコン、冷蔵庫、給水ポンプ、シンクといった設備は、それぞれの利用頻度や重要度を事前にリストアップし、購入する車両に搭載されているか、または追加で設置する必要があるかを検討しましょう。例えば、シンクは使う頻度が低い人もいると指摘されており、必ずしも全ての装備が必要というわけではありません。
これらの検討を通じて、自身のニーズに合致しない車種を選んでしまうことや、不要な装備に費用をかけてしまうといった購入後の後悔を避けることができます。
中古キャンピングカー購入のメリットとデメリット
キャンピングカーの購入を検討する際、手頃な価格で憧れのキャンピングカーを手に入れられる中古車は魅力的な選択肢となります。しかし、新車とは異なるメリットとデメリットが存在するため、これらを事前に十分に理解しておくことが重要です。
中古キャンピングカーのメリット
中古キャンピングカーを選ぶ最大の魅力は、まず初期費用を大幅に抑えられる点にあります。新車のキャンピングカーは数百万円から数千万円と高価ですが、中古車であれば購入価格を大きく抑えられます。例えば、軽キャンピングカーであれば100万円前後から見つけることができ、キャブコンやバスコンでも約300万円からという選択肢も存在します。この手頃さにより、キャンピングカーライフを気軽に始めることが可能になります。
次に、購入から即座に利用を開始できるという大きな利点があります。新車のキャンピングカーは、半導体不足や需要の高まりにより、納車までに1年から1年半以上かかることがありますが、中古車であれば気に入った車両があればすぐに手元に届き、キャンピングカーでの旅を始めることができます。
さらに、中古のキャンピングカーには既に高価なオプション装備が搭載されている場合があります。発電機、エアコン、ソーラーパネルといった本来は追加費用がかかる設備が備わっていることで、結果的に非常にお得な購入となるケースも少なくありません。また、人気のある国産車種や信頼できるビルダーが架装した車両であれば、購入後も比較的高い資産価値を維持しやすい傾向があり、将来的に手放すことになっても大きな損失が出にくい可能性があります。
ベース車両の耐久性もメリットの一つです。特にハイエースやカムロードといった商用車をベースにしたキャンピングカーは、高い耐久性を誇り、10万km以上の走行距離であっても問題なく使用できることが多く、適切なメンテナンスを行うことで20年から30年以上も乗り続けられる可能性があります。これにより、長くキャンピングカーを愛用したいと考える方にとっても、中古車は魅力的な選択肢となります。
中古キャンピングカーのデメリット
一方で、中古キャンピングカーの購入にはいくつかの注意すべきデメリットも存在します。最も懸念されるのは、車両のメンテナンス履歴や状態が不明確であることです。前のオーナーの使用状況やメンテナンスの質が不透明なため、購入後に予期せぬ故障や経年劣化による問題が発生するリスクがあります。特に年式の古い車両では、細かいトラブルに見舞われる可能性が高まります。
また、購入後のアフターサービスや部品供給に制約がある点も考慮が必要です。キャンピングカー特有の架装部分、例えば電装系、FFヒーター、冷蔵庫、給水ポンプなどの専門的なメンテナンスは、一般的な自動車ディーラーでは対応が難しく、購入した店舗や製造元が異なる場合、アフターサービスや部品の供給を断られるケースも存在します。そのため、信頼できるキャンピングカー専門の販売店やビルダーから購入し、購入後のメンテナンス体制を事前に確認することが非常に重要です。保証内容に関しても、明確な規定書がなければ期待できない場合があるため、書面での確認が不可欠です。
中古キャンピングカー特有の確認すべき点も多岐にわたります。
さらに、古い輸入車の場合、故障の頻度が高く、修理が困難で部品の入手にも時間がかかるリスクがあります。また、中古車をベースに内装を新しく改造(再架装)する場合、その費用が高額になり、結果的に新車に近い総額になることもあり得ます。雹害に遭った車両(雹害車)は、ボディの凹みだけでなく、ルーフに搭載されたソーラーパネルやベントカバーなどにもダメージがある可能性があるため、専門家による確認が不可欠です。
最後に、中古車市場の性質上、希望通りの車種や装備の車両に出会えない可能性もあります。人気があるため在庫が少なく、希望の条件に合う車両を見つけるためには忍耐力が必要となるでしょう。
これらのメリットとデメリットを総合的に比較検討し、自身のキャンピングカーの用途、予算、そして許容できるリスクの範囲内で、最適な一台を選ぶことが後悔のないキャンピングカーライフを送るための鍵となります。
キャンピングカーの中古車を150万円程度で探す方法:まとめ
記事のポイントをまとめます。
- 150万円は中古キャンピングカー市場では比較的手頃な価格帯である
- 年式が古い車両や走行距離が多い車両が主なターゲットとなる
- 具体的な車種は、軽キャンピングカーや年式の古いバンコン・キャブコンが候補
- DIYで自作することで初期費用を抑える選択肢も存在する
- 中古車の探し方は専門業者とオンラインサイトの二通りがある
- 専門業者から購入することで専門知識やアフターサービスが期待できる
- オンラインサイトでは幅広い車種から比較検討が可能である
- オークションや個人売買は安価だが、保証がないなどのリスクが高い
- 車両本体の状態(年式、走行距離など)を徹底的に確認することが重要
- 架装部分の機能(電装システム、FFヒーターなど)も全て動作確認すべき
- 特に雨漏りの有無は古い車両で致命的な問題となるため入念なチェックが必要
- 購入後のアフターサービスや保証内容を事前に確認しておくことが大切
- 古いディーゼル車は税金が高くなる可能性があるため注意が必要
- DIYはコスト削減やカスタマイズ性が魅力だが法規制や技術的難易度に課題
- 購入前にレンタカーなどで体験して用途を明確にすることが後悔しない選び方に繋がる






